医療費の負担を軽減できる? 「高額療養費制度」ってどんな制度?
世帯合算とは
受診者1人の自己負担では自己負担限度額を超えない場合でも、同じ世帯で同じ公的医療保険に加入している方の分を、1ヶ月単位で合算することができます。これを「世帯合算」といいます。 世帯合算では、例えば、会社員とその家族が同じ健康保険に加入していれば、合算することができます。ただし、健康保険の被保険者と同居する後期高齢者医療制度の被保険者は、それぞれ別の公的医療保険であるため、合算することができません。また、合算されるのは2万1000円以上の自己負担のみとなります。
多数回該当とは
直近12ヶ月間で既に3回以上高額療養費が支給されている(限度額を超えている)場合は、4回目以降は「多数回該当」として自己負担限度額がさらに低くなります。多数回該当の場合の自己負担額は、上記の表の最右列の金額となります。
どのぐらいで支払われるの?
高額療養費を申請した場合、受診した月から少なくとも3ヶ月程度かかるとされています。申請を受け付けた各医療保険では、レセプトに基づく審査が必要となります。レセプトの確定までは一定の時間を要するため、支払いまでに多少の時間が必要となります。 また、高額療養費の支給を受ける権利の消滅時効は、診療を受けた月の翌月の初日から2年となっています。
まとめ
複数の医療機関等に受診している場合や、1人では限度額を超えないものの家族の分を世帯合算することで限度額を超える場合などには、申請により高額療養費の支払いを受けることができる可能性があります。 また、図表に記載されているとおり、年収によって異なりますが、目安として適用区分「ウ」の方は、おおむね8万円を超える程度の医療費をひと月に負担したときに、高額療養費制度を利用できる可能性があることを覚えておきましょう。 出典 厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から) 執筆者:高橋庸夫 ファイナンシャル・プランナー
ファイナンシャルフィールド編集部