習近平は「台湾侵攻」を決断するか…日本人が知らない「意外すぎる」米中の本音
「安全保障を専門とするジャーナリストとして20年以上活動してきた中で、 今ほど戦争の危機を感じる時はありません。」 【写真】中国が保有するミサイルの数々…! 知らぬ間に「米国のミサイル基地」と化している日本の現状に、 安全保障の専門家たちが一斉に警鐘を鳴らす! 石破茂政権に注目が集まる「いま」こそ知っておきたい、 日米安保をめぐる「衝撃のウラ側」が、 『従属の代償 日米軍事一体化の真実』で明らかになる。 ※本記事は布施祐仁『従属の代償 日米軍事一体化の真実』から抜粋・編集したものです。
望まれる「ウィンウィン」の関係
米国も中国も、けっして戦争は望んでいません。 米国と中国が戦争になれば、双方とも甚大な人的・物的被害が避けられず、核戦争という最悪の結果を招く可能性も否定できません。経済的にも、双方とも深刻なダメージを負うことは必至です。予測される結果を冷静に考えれば、戦争という選択肢は出てこないでしょう。 実際、バイデン大統領と習近平主席は、戦争の回避がそれぞれの国のリーダーとしての責任だと繰り返し述べています。 2023年11月に米国で行われた首脳会談でバイデン大統領は「両国は責任を持って競争を管理し、競争が直接の衝突に陥らないようにしなければならない」と語り、習主席も「戦争や対決は双方に耐えられない結果をもたらす」として「相互尊重、平和共存、ウィンウィンの協力」を求めました。
「計算違い」による米中戦争のリスク
少し前になりますが、2021年6月6日の読売新聞朝刊に米中関係に関する非常に示唆に富む論稿が掲載されました。執筆者は、米国の著名な国際政治学者で米国務副次官や国防次官補を務めた経験も持つジョセフ・ナイ(ハーバード大学教授)です。 ナイは「米中関係も既存の覇権国(米国)と伸びゆく強力な挑戦者(中国)による紛争の段階に入りつつある、と信じている人たちがいる」と指摘した上で、「筆者は、それほど悲観的ではない」と述べています。「米中間には経済と環境の面で相互依存関係があるため、『冷戦』に至る可能性は低くなっている。ましてや、『熱戦』が火を噴くことは考えにくい。米中双方とも、いくつもの分野で協力していきたい動機があるからだ」と言います。 しかし、論稿の主題は「米中戦争勃発の危険性」です。ナイが警鐘を鳴らすのは、「計算違い」による衝突です。 ナイは起こり得る「計算違い」として、中国が米国の力を過小評価してリスクの高い行動に出るケースや、米国が中国の力を過大評価し、行き過ぎた恐怖心から過剰な行動に出るケースを挙げています。そして、論稿の最後を次のような至言で結んでいます。 「米中双方が、計算違いに注意しなければならない。我々が直面する最大のリスクはしばしば、我々自身の失敗の可能性なのだ」 実際、人類の歴史を振り返ってみると、第一次世界大戦がまさにそうだったように、合理的に考えれば起きる可能性が低いと思われる戦争が「計算違い」によって何度も引き起こされてきました。これこそが米中戦争を引き起こす最大のリスクとのナイの見解に私も完全に同意します。 >>議論の内容をさらに詳しく知りたい方は「米国を「恐怖の底」へ突き落とした中国!米国が日本を「犠牲」にしても守りたいものとは一体…」もお読みください。
布施 祐仁(ジャーナリスト)