15年ぶり復帰の浜名高vs3季ぶりプレミア狙う清水ユース…高円宮杯U-18サッカープリンスリーグ東海6日開幕
高円宮杯U―18サッカープリンスリーグ東海が6日開幕。10チームが2回総当たり制で戦い、上位2チームがプレミア昇格を懸けた12月のプレーオフに進む。6日のJ―STEPでは県リーグから15年ぶりに戻ってきた浜名と、3季ぶりのプレミア復帰を狙う清水エスパルスユースが対戦。浜名は運動能力の高いFW津田廉大(3年)に注目。清水ユースは先週2種登録されたMF小竹知恩(3年)が個人・チームのダブル昇格を目指す。 *** 浜名にとって、09年以来15年ぶりの大舞台。開幕戦で清水ユース、13日の第2節ではジュビロ磐田U―18と当たる厳しい組み合わせになったが、「いきなりトップレベルのチームとやれるのは楽しみ」とMF野沢康佑主将(3年)は歓迎。内藤康貴監督(44)も「トーナメントのつもりで勝ちにいきます」と闘志をのぞかせた。 注目はFW津田だ。179センチの長身を生かしたポストプレーだけでなく、50メートル6秒1とスピードもある。浜名といえば、豊富な運動量を生かした前線からのハイプレスが特長。1月の県新人戦では藤枝東を倒して準優勝したが、津田はその先頭に立ってボールを追いかけ、相手DF陣に圧力をかけていく。 ゴールという結果も着実に残している。2、3月に行われたトライバルステージ(旧中日本スーパーリーグ)では4勝1分け1敗と好調で、津田は滝川二高(兵庫)戦で2得点して3―2の勝利に貢献した。「1月の新人戦から、いい状態が続いています。得点王を狙いたい」と元気いっぱいだ。指揮官も「体格がよく、身体能力も高い。このリーグ戦で大化けしてほしい」と期待している。 V候補に挙げられるJ下部組織と2連戦すれば、プリンスリーグの強度やレベルも分かる。「初戦で勝てば勢いに乗れる」と野沢主将。津田も「まずは清水から勝ち点3を取る。昇格争いにからみたい」。浜名が序盤戦から旋風を巻き起こす。(里見 祐司) ◆津田 廉大(つだ・れんだい)2006年6月30日、浜松市生まれ。17歳。雄踏中時代は浜名ジュニアユースでプレー。22年春のヤングサッカーフェスティバルU―16静岡県選抜。179センチ、63キロ。 二兎を追うシーズンが始まる。最終学年の高3となった清水ユース・小竹は「自分がチームを勝たせられるように、プレミア昇格をぶらさずに目指してやっていく。(個人としては)トップ昇格を目標にしています」と表情を引き締めた。 ナイジェリア人の父と日本人の母を持つ。出身は栃木だが「エスパのサッカーにひかれた」と高校から単身での来静を決断した。180センチ、76キロと体格はトップ選手と遜色なく、サイドを破るスピードに定評がある。「貪欲に数字を上げていきたい」と“ノルマ”は得点とアシストのダブル2ケタに設定した。 昨季は2種登録でトップデビューし、ルヴァン杯2試合に出場した。今季もキャンプや日々の練習に参加。再び2種登録され、トップでの試合出場が可能となった。参考にしているのはMF乾だ。「常に落ち着いていて、プレーの質が高い。チームを引っ張っていくキャラクターはさすが」と目を輝かせる。同じくユースのMF西原が今季トップで6試合に出場。自身も同期に続く覚悟はできている。 チームは昨季、POに進出したが1回戦で敗れた。途中出場で流れを変えられず「独特の雰囲気で何もできなかった」悔しさが胸に残る。つかみ損ねたプレミアへの切符と、プロへの切符。今年は2枚を手中に収めてみせる。(武藤 瑞基) ◆小竹 知恩(こたけ・しおん)2006年4月14日、栃木・佐野市生まれ。17歳。FEアトレチコ佐野、プログレッソ佐野FCを経て清水ユースに入団。U―17などで年代別日本代表を経験。23年と24年に清水で2種登録。180センチ、76キロ。 ジュビロ磐田U―18は1年でのプレミア復帰を目指す。昨年は得点ランク2位のFW船橋京汰(現愛媛)を擁しながら、プレミアWEST11位で降格。失点の多さが課題だった。身長181センチのセンターバック渥美慶大主将(3年)は「ボランチとの距離感を意識して練習してきました」と自信を見せた。 指揮を執るのは、かつて磐田で活躍した元日本代表MF西紀寛・新監督(43)。後方からのビルドアップを大切にしつつも「まず前を見るように」とDF陣に指示している。伝統の「パスをつなぐサッカー」だけでなく、タテに速い攻撃で点を取ることも強く意識させている。 前線は2種登録されている山本将太や、身長189センチの岡田幸成(ともに3年)らタレントが豊富。得点力に不安はない。渥美主将は「後輩たちにプレミアでプレーさせたい。なんとしても1年で復帰する」と力をこめた。 〇…今季は磐田U―18も同カテゴリーとなる。小竹が「エスパの強さを証明したい」と言えば、MF中山温樹主将(3年)も「勝つしかない」と語気を強めた。第1戦は7月13日にアイスタ、第2戦は11月30日の最終節にゆめりあで行われる。沢登正朗監督(54)も「カテゴリーに関係なく、負けることは許されない」と言い切った。
報知新聞社