巨人の優勝説浮上の真偽?
昨季、規定打席に達したのは、坂本と長野の2人だけ。その坂本も、打率.269、12本、68打点、長野は、打率.251、15本、52打点に終わり、4番を任されていた阿部も、打率.242、15本、47打点と大不振。下位打線に厚みを持たすはずの村田もスタメン落ちが目立ち、特に得点圏打率.171と大きく期待を裏切った。 長野はオフの手術、阿部は首などの持病が影響したが、長野は31歳で阿部は36歳。シーズンを通じてコンディションを万全に保つことが難しくなっているなら、今季の復活も簡単ではない。 おそらく、ジョーンズが4番に座り、クルーズが阿部らと、5、6番に座ることになるのだろうが、新戦力の波及効果が生まれるのは、坂本、長野、阿部らの生え抜きメンバーが、ある程度の成績を残すことが前提。さらに浮沈を握る新外国人のジョーンズへの不安要素もある。 ジョーンズは、昨季は、ヤンキースで57試合に出場したが、打率.215と低迷。三振率が24パーセントを超え、荒さが目立つ。特に対左投手への打率が低く、パワーヒッターの典型パターンで変化球への対応力も、あるほうではない。35歳という年齢もあるが、昨季、500万ドル(約6億円)のメジャーリーガーを巨人が獲得できたのにも、それなりの理由はある。もしストライクゾーンで勝負しない傾向の強いセ・リーグの野球へ適応できなければ、自慢のパワーを生かせないまま終わる可能性もある。 元旦に発表された新チームのスローガンは『一新 ~GIANTS PRIDE 2016~』。優勝説に対しての賛否はあるが、優勝争いの中心に、一新してきた巨人がいることだけは間違いない。