“創造的復興” 県道4車線化進む益城町は 熊本地震から8年
熊本地震から8年。2度の震度7の揺れで甚大な被害を受けた熊本県益城町で、“創造的復興”の1つに位置付けられている県道熊本高森線の4車線化が進んでいます。
地震発生時の教訓踏まえ 県道を拡幅
2016年4月、熊本地震発生直後、益城町では、倒壊した家屋が道路をふさぎ、被災者を救出するための緊急車両が通行できない状態にありました。 あの日から8年、町は、平穏を取り戻しつつあります。町の中心を通るのが、県道熊本高森線。被災前の状況に戻す復旧にとどまらない“創造的復興”の重点項目の1つとして、4車線化が進められてきました。
3.8キロを4車線化 25年度に全区間完了へ
地震の翌年に始まった4車線化事業の区間は、3.8キロ。熊本市との境界エリアを起点に、まず800メートルが開通。前震から8年を迎えた今月14日には、さらに惣領地区までの800メートル延伸しました。来年度末までには、全区間が開通する計画です。 住民 「交通量も増えるし、人口も増えると思うので、活気が出ていい」 「道が広くなった分便利になっていいなと思います」 交通量の増加で、渋滞や事故を心配する声もありますが、生活道路としての利便性の向上や、町の来訪者が増えることへの期待感は大きいようです。加えて、能登半島地震で問題となった、ライフラインとしての役割も担います。
4車線化進む県道 その先で…
4車線化が着々と進む一方で、同じ県道熊本高森線には、2023年7月の水害からの復旧を待ち望む地域があります。益城町の津森小学校そばを通る区間は、災害から9カ月経った現在も、そのまま。片側交互通行となっています。木山川のそばで、難工事になることも予想され、復旧工事に着手するのは、今年7月の予定。梅雨明けの後になります。
“創造的復興” 8年間で町の変化は
地震から8年、益城町では、4車線化のほかにも、被災した役場が再建されるなど、復興が進んできました。 町の人口も、熊本地震後、一時減少しましたが、5年前からは増加傾向に転じています。2022年10月時点の年間の人口増加率は0.42%で、熊本県内の市町村で6番目。また、熊本地震の翌年、過去最大の下落となった地価も、上昇を続けています。
さらに、“創造的復興”の1つに位置付けられる熊本空港も2023年3月にリニューアルオープンしました。台北線の就航なども後押しし、昨年度の空港利用者数はコロナ禍前の水準にまで戻る見通しで、県道の4車線化とあわせて、空港の活用に期待する声もあります。 地震前の状態に戻すのではなく、より強く、住みやすい地域となるか。復興に向けたさまざまな事業が完了した後の取り組みも重要になるといえそうです。
KAB熊本朝日放送