メキシコ次期大統領、歴史的ペソ安に直面-政権運営に暗い影
中南米で2番目の経済規模を持つメキシコは政治と財政の安定のとりでとして際立ち、ロペスオブラドール大統領就任後の6年間にペソは世界の通貨で最高のパフォーマンスだった。同大統領のポピュリスト的主張と富裕層を悪者扱いする姿勢は、しばしば投資家を不快にさせたものの、同氏の政策は穏健だった。
世論調査ではシェインバウム氏の勝利が確実視されていたが、楽観視していた投資家らは与党連合が議会選挙で一夜にして3分の2に近い議席を獲得したことで、憲法を改正し得る全権力を掌握する政党の存在についてリスクを意識した。
危惧されるのは、判事の選挙により、ロペスオブラドール氏が創設した左派与党、国家再生運動(MORENA)が裁判所を忠実な支持者で固める可能性だ。ただ、シェインバウム氏は裁判所職員や学識経験者に、このプロセスに関する議論への参加を呼びかけており、法案の本質は変わらなくともまだ修正の余地があることを示唆していると一部で受け止められている。
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原題:Peso Gets Crushed as Investors Worry Sheinbaum’s Win Was Too Big(抜粋)
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Michael O'Boyle, Maya Averbuch