軍政と前線で戦う、10代の女性戦闘員 ミャンマー
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【5月25日 AFP】18歳のモーモーさん(仮名)は、軍政下にあるミャンマーで民主化を求め戦う「国民防衛隊(PDF)」の女性戦闘員だ。PDFの無人機部隊には数百の女性が所属し、男性と生活を共にしながら訓練や戦闘に励んでいる。 モーモーさんは、ミャンマーでは珍しい民主主義時代に育った。2021年のクーデターで軍が再び権力を掌握した後、軍事政権打倒を掲げ結成されたPDFの部隊の一つに加わった。 当初は、軍への抗議行動を組織するグループに参加していた。しかし、軍による弾圧が数か月に及び、多数の死者が出た事態を目の当たりにするうちに、戦闘員になる道を選んだ。 シャン(Shan)州で無人機攻撃を行った後、取材に応じたモーモーさんは、「軍の卑劣さが我慢できない」と話した。 「罪のない市民が殺された。私が参加した大きな理由は怒りからだ」と言う。 マンダレー(Mandalay)の部隊にいた友人たちに、一緒に戦おうと誘われた。 「私はマンダレー生まれのマンダレーっ子。だからマンダレーPDFに入った」と説明した。 マンダレーPDFの女性戦闘員は約100人。無人機部隊の約3分の1は、モーモーさんら、女性戦闘員が占めている。改造した商業ドローンに爆弾を搭載し、軍政の拠点を標的にする。 「軍の標的に直接爆弾を落とすと、その日はとても気分がいい」とモーモーさん。「もっと無人機による任務に携わって、自分の能力をもっと示したい」と話す。 無人機作戦を担当する男性兵士は、「女性の戦闘員たちの能力を最大限に引き出すには、無人機部隊が最適だと判断した」と語った。 ■思うのは故郷の人々 マンダレーPDFの女性たちは、偵察に出たり、看護をしたりと、他にもさまざまな任務をこなしている。 入隊して間もない女性戦闘員は、朝になると、教官役を務める戦闘員の笛の音に追い立てられるように、未舗装の道路をジョギングする。その後、スクワットや腹筋運動など、日課の訓練をこなし、食堂で列をつくる。メニューはご飯と肉だ。 女性たちは、資金調達と食事提供を担う部門でも働いている。 避難所として使われている場所の一つでは、女性たちがライフルを分解し、ぼろ切れとオイルを使って手入れをしながら、貴重な武器の手入れを行っていた。 家屋の外に置かれたベッドでは、医師と看護師が負傷した戦闘員の包帯を取り換えていた。 西日が照りつける野営地に戻ると、数人の女性がたき火を囲んで座っていた。 日が沈んでくると、偵察の任務に就く2人が武器を手に森へ向かった。迷彩服を着用し、制服のバッジと同じ色の赤い口紅を塗っている。 夜になると、女性たちは、たき火のそばに集まり、携帯電話の明かりを頼りに食事をしながら故郷の話を始めた。 モーモーさんがよく思い起こすのは、自分の故郷と、そこに残してきた人々のことだ。 「時々、家が恋しくなる」「でも、お母さんはいつも電話で、『私たちは大丈夫だから。革命が終わったら帰ってきなさい』と言ってくれる」と話した。 「その言葉を思い出すと、元気になる」 映像は2023年12月に撮影。(c)AFPBB News