スクラム一歩も引かず。竹内柊平、オールブラックス相手に自信つける。
10月26日、日産スタジアム。史上最重量といわれたオールブラックスの両PRは140キロのタマイティ・ウィリアムズとパシリオ・トシ。対する日本代表は1番・岡部崇人105キロ、3番・竹内柊平115キロ。独自の間合いと低さで真っ向勝負し、序盤から一歩も引かず、BKに安定したボールを供給した。 竹内は後半6分に交代するまで、スクラムだけでなく、持ち前のパワフルなキャリーでも見せ場を作り、その存在をアピールした。 ゲームには敗れたが、これまで課題とされてきたスクラムで対等の勝負ができ、試合後ミックスゾーンに姿を現した竹内の表情は明るかった。以下、一問一答。 ――280キロのプロップ相手にしっかり組めたのは、自信になりましたか。 「僕個人としてもチームとしてもかなり自信になると思っています。体重差は明らかだった中で、自分たちは8人で準備してきたものが出せた。フロントローだけでなく、バックファイブもすごくいい押しをしてくれて、相手を閉じ込めて。たぶん相手はメチャクチャ苦しかったと思います。僕は正直、苦しくなかったです、スクラムのとき」 ――組むとき、相手はレフリーに何か言ってましたね。 「ずっと言ってましたね。距離が近いだの、こんな距離ではスクラムは組めないとか。でもそれは僕らの狙いでした。近い距離で僕らの低さで組む。向こうは嫌だから途中で落としたりして、僕らが準備したものが出たなと。それはFW合宿をした結果でもありますし、オーウェン(フランクス スクラムコーチ)が来てくれた結果でもありますし、リーグワンのチームと組んで自分たちのコネクションはかなり上がったと思う。今回は日本全体で勝ったスクラムだと思っています」
――後ろからのプッシュは、何か工夫があったのです? 「正直、アレンジとかはないんですけど、オーウェンが一人ひとりにフォーカスして、ミーティングをやっていました。こうやって押せとか、こうやってかけ続けろとか。フロントはずっと高さにこだわっていたし、アマト(ファカタヴァ=FL)も『TK(竹内の愛称)高いよ』と試合中もずっと言ってました(笑)」 ――ジャパンの間合いっていうのがあるのですか? 「海外のチームは身長が高いので、絶対にその(短い)距離は嫌がるんです。でも、僕らはその距離で味方同士と組んでいるし、正直今回はリザーブの時の方が苦しいスクラムを組んでいました。今回メンバーで出ていない選手も低くて強いスクラムを組んで、日本全体でいい準備ができていた。誰が出ても同じようなスクラムを組む自信がある。今回は重かったんですけど、自分たちは苦しくはなかったです。相手が嫌がっているのはわかりましたね。スクラムは向こうが我慢している感じでしたし。レフリングとしてはその距離でOKでした」 ――この先、ジャパンには何が必要? 「自分たちのプランを信じ切ること。ディフェンスをしっかりして、セットプレーをしっかりする。いいプランはありますし、超速ラグビーというコンセプトもあって、それに対してどれだけハードワークできるかというのが次の課題だと思うし、ジャパンのワールドカップまでのロードマップの課題だと思っています」