クルマはイジリたい! でも不安なのは嫌……そんな声に応えるカスタムのプロ集団「JASC」って何だ?
カスタムメーカーとショップ34社からなる団体
東北エリアのチューニング&カスタムカー好きにとって、毎年恒例となったイベント「東北カスタムカーショー」が、2024年4月27~28日に宮城県・夢メッセみやぎにて開催された。 【写真】この輪っかが走りを変える!? ハブリングとは何か 会場内には、地元東北をはじめとして、全国から有名ショップやアフターパーツメーカーが参加。最新のエアロパーツや脚まわり、ペイント、コーティングなどクルマのドレスアップ&チューニングにまつわるさまざまな新製品や新技術が展示された。 そんな展示エリアで、ひときわ活気を見せていたのが「JASC(日本オートスタイル協会)」のブースである。JASCという団体名を聞いて、すぐにピンとくる人は多くないかもしれない。エアロパーツを中心に、クルマのドレスアップやチューニングを手がけるメーカーやショップが加盟しており、ユーザーサイドに立った製品作りをモットーに活動している。 JASC、日本オートスタイル協会が発足したのは、1999年10月1日のこと。設立に先立ち、1999年7月にエアロパーツメーカーの代表が集まって意見交換を行ったことがきっかけだった。当初は複数の代表が集まっての勉強会的なものだったが、2001年1月には『JASC日本オートスタイル協会』という名称を定め、規約を制定して積極的な活動を開始。2024年現在では34社が加盟している。
安心してクルマを楽しめるシーンを創出したい
「若い世代を中心に『クルマ離れ』なんて叫ばれていますが、この東北カスタムカーショーにも大勢の来場者が来られています。世代に関係なく、クルマが好きで、ドレスアップやチューニングの好きな人は減っていないと思うんです。ただ一方で、中古車販売店だったりアフターパーツメーカーもさまざまであり、ユーザーサイドからするといいお店やいい製品を選ぶのが難しいというのも事実だろうと考えています」。 そう話してくれたのは、JASC日本オートスタイル協会で会長を務める、四方 寛さんだ。ハイエースをはじめとして、軽ミニバンやワンボックスのエアロパーツ、車内をラグジュアリーな空間に変身させてくれるインテリアパーツを数多く手がける「HEARTILY(ハーテリー)」の代表としてもドレスアップシーンを牽引している。 「本当に多くのアフターパーツが流通している現在ですが、ドレスアップやチューニングを取り巻く環境は決して楽観視できることばかりではありません。クルマでドレスアップやチューニングを楽しむうえで、愛車で公道を走行するならば、道路運送車両法をはじめとして法規を遵守しなければなりません。そしてパーツも取り付け方法などを間違えると、違法改造車として摘発されてしまったりします。そこで私たちアフターパーツメーカーは法規を守った製品作りを行うだけではなく、ユーザーの皆様に正しい情報をお伝えしていこうと手を取り合ったのがJASC日本オートスタイル協会の始まりです」。 現在、JASC日本オートスタイル協会の会員は34社。協会のホームページには、エアロパーツメーカーからインテリア、さらにはコーティングやディテーリングなど、クルマのドレスアップ&チューニングに関するさまざまな企業の顔ぶれが並ぶ。そして、スポーツカーやラグジュアリーカー、軽自動車など得意とするカテゴリーの枠を超えて、企業同士が手を取り合っている姿が印象的だ。 「さまざまなジャンルの企業が参加しており、年に2回の会合を設けて勉強会であったり、ユーザーの傾向について情報交換をしています。なにより特徴的なのは、JASCに加盟している我々自身がオートスタイルパーツを大好きで、ユーザーの皆さんと同じ目線でカーライフを楽しみたいと思っているメンバーばかりです。だからこそ、よりよい製品作りであったり、ドレスアップ&カスタムカーカルチャーを創りたいと考えています」。 今回の東北カスタムカーショーをはじめ、今後も多くのカーイベントに出展し、ドレスアップ&カスタムカーシーンを盛り上げていきたいと四方さんは話してくれた。 『ユーザーの皆様が、安心してクルマのドレスアップやチューニングを楽しめるシーンを創出する』ことを掲げて活動するJASC日本オートスタイル協会。愛車のドレスアップを楽しみたいけれど、どんなパーツを選んだらいいかわからない、ディーラーよりもさらに専門性の高い、カスタムやチューニングに強い専門ショップに依頼したいけど敷居が高いように感じる……。そんな方は、ぜひJASC日本オートスタイル協会のホームページを参照し、加盟メーカーやショップを探してみることをオススメしたい。
佐橋健太郎