経済同友会に政策評価のシンクタンク 政治改革で議員輩出も「可能性ある」と新浪代表幹事
経済同友会は3日、夏季セミナーを長野県軽井沢町で開いた。この日は、自民党派閥の政治資金パーティー収入不記載事件を念頭に、政治改革について議論。政策本位の政治が行われていないとの観点から新浪剛史代表幹事は「財界が政党のガバナンスに対し、おかしいといえる仕組みをつくることが必要だ」と述べ、政党の政策評価などを行うシンクタンク機能を設ける考えを示した。 日本経済は人口減少が進み、従来の社会経済の在り方を大きく変革していくことが不可欠で、政治の役割は増している。しかし、セミナーに参加した経営者からは「政治家は選挙が第一で、長期的視点で政策に取り組む動機付けが欠けている」といった意見が相次いだ。 セミナーでは政党の課題を企業経営の視点から分析。政党の政策は企業で言えば中期経営計画に当たるが、政策がどのように作られているのか透明性が欠けており、実際に政策が実行されたのかといった評価も不十分なことから、同友会がこうした機能を担う方向で議論が進んだ。 一方でパネリストとして参加した学習院大学の野中尚人教授(政治学)は、同友会が政治家を排出するというアイデアを提案。新浪氏はシンクタンク機能の創設を優先するとしつつ、「その延長線上で(選挙に)出たいという人がいれば応援する可能性はある」と苦笑いを浮かべた。 セミナーは4日まで2日間の日程で行われる。(蕎麦谷里志)