改正道路交通法が施行され去年７月から１６歳以上が「免許なし」で電動キックボードを運転できるようになりました。 街中でも見かける機会が増えてきましたが、ルールを無視した悪質な走行が問題となっています。警察の取り締まりを取材しました。 さっそうと駆け抜ける電動キックボード。 去年７月に法律が改正され、電動モビリティーのうち、一部を除く電動キックボードは「特定小型原動機付自転車」に分類されました。 このため、１６歳以上は運転免許がなくても乗れるようになり、街中でも見かける機会が増えました。 【キックボードを利用する男性】 「友人が観光に来ていて、１泊２日なので、歩きとかちょっと厳しい距離の際は電動キックボードを使った方が短縮できますし、そっちの方がより観光地も回れますんで、そういうところがいいと思います」 便利な乗り物ですが、交通ルールを無視した運転が問題となっています。 【初めて電動キックボードに乗る男性】 Ｑ：早い速度で歩道を走っているのを見たことありますか？ 「そうですね、見ますね。僕は名古屋出身なので、名古屋市内だとよく見ます。乗るならちゃんとそういうところはしっかりして乗ってほしいなと、僕もそうしたいなと思います」 電動キックボードは基本的には車道を走る必要があり、歩道で乗る際には時速６キロ以下で緑色のライトを点滅させながら、走らなければなりません。 ２人乗りや酒気帯び運転も禁止です。 法律改正直後に県内でサービスが始まった「ＬＵＵＰ（ループ）」。 現在は東京や大阪など全国１１都府県で展開しています。 【Ｌｕｕｐ・岡井大輝社長】 「広島は外国人観光客が来る比率が高く、彼らにヒアリングをしても、もっと多様な行きたいところにダイレクトに行けるような、街を肌身を体感できるような手段がもっとあってほしいという声をいただいていたので、（道交法改正後）一番最初にやるなら広島かなと」 広島市内に２３０ポート以上を構え、通勤や観光の移動などで多くの利用者がいます。 ＬＵＵＰは使う前に交通ルールについてのテストに全問正解しなければなりません。また、違反が重なればアカウントを凍結する措置も取っています。 それにもかかわらず、違反をしたまま走行する人が後を絶たないのです。 先週金曜日、警察官が私服で広島市の繁華街を歩き、違反を見つける取り締まりを初めて行いました。 夜１０時半ごろ、警戒を続けていると早いスピードで走るキックボードが…。 私服警察官が気付き、あわてて止めます。 【毛利記者】 「私服の警察官に止められたことに戸惑った様子で対応しています」 男性は歩道を規定以上の速度で走った通行区分違反、反則金は６０００円です。 この日は別の私服警察官がもう１人を同様の違反で検挙したということです。 県警によりますと、去年７月の法律改正後、広島市中区を中心に今年８月末までに３４件を検挙。 そのうち、３年以下の懲役または５０万円以下の罰金が科される酒気帯び運転が５件ありました。物損事故もこれまでに数件起きているということです。 【広島県警 交通事故分析官・宮庄律和 警視】 「まだまだ特定小型原付自転車にしても、交通ルール自体が十分に理解されていないといったところがあると思いますので、しっかりそのあたりは街頭での指導、啓発活動を含めしっかり広報していきたいと考えています」 便利な乗り物として普及してきた電動キックボード。 事故を防ぐために、交通ルールを守って安全に乗る必要があります。 ＜スタジオ＞ 取材した毛利記者によりますと、電動キックボードの最高速度は時速２０キロで、自転車より速く見えるそうなんです。 ヘルメットの着用は自転車と同じ努力義務ですが、取材中に被っていた人は見当たらなかったということで、より安全に乗るためにはやはりヘルメットをかぶった方が良いと感じたそうです。 法改正され、免許がいらず手軽な乗り物ですが、実際に事故も起きていますし、福岡市では酒気帯び運転で現行犯逮捕もあったということです。 乗る側にしっかりとした交通安全意識が求められます。