実は今年で30年? ! 「ロイヤルホスト」の隠れた名わき役「ホットファッジサンデー」の歴史を辿る
1994年、現在の「ホットファッジサンデー」の原形が誕生
ホットファッジサンデー/1994年 グラスの重さはなんと500~600g! そして1994年、今の原形となるバナナ入りの「ホットファッジサンデー」が発売。大きな縦カットのバナナにアメリカンチェリーがトッピングされ、ビジュアルは今よりも大胆なスタイルです。この時から、重たくずっしりとしたレンズグラスを使い始めたのだそう。 上田さん「このグラスは、当時の社員がアメリカで一目惚れして日本に持ち帰ってきた『リビー』(アメリカのグラスメーカー)のもの。縦長のグラスよりも盛り付けが難しいことから、店舗ごとの盛り付けのばらつきに苦戦したようです」バナナスプリット(下)/1989年当時ちなみに、大胆にバナナを盛り付けるアイデアは、「バナナスプリット」(1989年)から着想を得たのでは? とのこと。こうして、アメリカ生まれの「ホットファッジサンデー」は、少しずつロイヤルホスト独自のメニューになっていきました。
約5回のリニューアルを経て、現在の姿に
ホットファッジサンデー/2001年1994年の発売後、一度メニューから外れることもありつつ、2001年のメニューでは復活。この頃には縦カットだったバナナは輪切りになってグラスの中へ入り、現在の形に近づいています。1994年の「ホットファッジサンデー」発売から今に至るまで、5回程のリニューアルがあったのだそう。上田さんは直近の2016年、2018年と2回のリニューアルを担当しました。上田さん「2018年には、トップのサワーチェリーをピーカンナッツに変更し、中にはグラハムビスケットを入れて、カリカリ食感と香ばしさをプラスしました。アメリカでもピーカンナッツはよく使用されていますし、本場らしさも出せたのではと思います」同時に、ホットチョコレートソースも改良。 「濃厚なアイスクリームとホイップクリームで甘くなりすぎないようにするため、自社工場で作った高カカオなチョコレートを使用したビターチョコレートソースに変更しました」。 度重なる改良には、日本に本格派チョコレートが増えてきたことが背景にあるのだそう。2003年「サロン・デュ・ショコラ」が日本に上陸したことをきっかけに、甘いチョコレートよりも、カカオが香る本格的なチョコレートが好まれるようになったのでは? と、ロイヤルホスト内では推測しています。そして、リニューアルや期間限定メニューでレシピが更新されるたびに苦労しているのが、全店舗でのクオリティの統一。店舗数が多いチェーン店だからこそ、スタッフの腕前や地域で味や盛り付けが左右されることがないようにシステム化することは必須です。 「リニューアルで盛り付けや組み合わせを変更するたび、動画で作り方を録画して各店舗に配信しています。店舗スタッフからの意見を聞いてオペレーションも少しずつ改良していきます」。
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