東北最大級「仙台うみの杜水族館」開館 松島水族館継承し「復興の象徴に」
東北最大級の水族館「仙台うみの杜水族館」が1日、仙台市宮城野区に開館した。5月に閉館した宮城県松島町の「マリンピア松島水族館」から生き物や飼育員の多くを引き継ぎ、運営を「横浜八景島」(横浜市金沢区)が担う。水族館は初年度の来場者100万人を目指し、「復興を象徴する水族館」としてスタートする。 1日開かれたオープニングセレモニーでは、仙台市出身のフィギュアスケーター・荒川静香さんや、宮城県の村井嘉浩知事、仙台市の奥山恵美子市長らが参加。大ぶりの雨が降る天候の中、午前10時の開館前の水族館には待ちわびる人々の大行列ができていた。奥山市長によると、前日から並んでいた人もいるという。 館内は、約100基の水槽で日本の海や世界の海を再現。中でも目玉は、世界三大漁場の豊かな三陸の海をイメージした幅13メートル・高さ6・5メートルの仕切りのない巨大水槽だ。2階には約千人を収容できる東北最大級の「うみの杜スタジアム」が設けられ、横浜八景島シーパラダイス出身のバンドウイルカと、マリンピア松島水族館出身のカリフォルニアアシカが共演するショーも見ることができる。
松島水族館の歴史受け継ぐ
同館では、5月に老朽化が原因で88年の歴史に幕を下ろした「マリンピア松島水族館」の魚・動物や飼育員を引き継ぐ。イルカやアシカのパフォーマンスを担当するトレーナーの伊藤崇さん(36)は、東日本大震災の発生を機に他県の水族館から地元・宮城県のマリンピア松島水族館に移籍し、アシカやアザラシのショーを担当していた。閉園後は仙台うみの杜水族館に移ることが決まり、横浜八景島シーパラダイスで何も芸を知らないイルカに一から芸を教える訓練も積んできたという。 伊藤さんは「松島水族館で愛された動物たちがうみの杜水族館にいるということを、地元の人に伝えたい。松島水族館の歴史や経験と、八景島のいいところの両方を合わせた水族館にしていけたら」と意気込みを語った。(THE EAST TIMES)