新型レクサスESはセダンだからこそイイのである!!! SUVやミニバンでは得られない魅力とは
レクサス「ES」が年次改良を受けた。その魅力について、小川フミオが考えた。 【写真を見る】新型ESの内外装はこちら(68枚)かつてのウインダムは今、こんに立派になった!!!
ゆったりした気分で乗っていられる
まっとうなセダンのどこが悪い? というクルマの主張が聞こえてきそうな、まじめに作られたプレミアムセダンがレクサスES。よく走る快適な出来映えだ。 紹介するのは、ES300h“version L”。全長4975mmと余裕あるサイズのボディに、2.5リッターのハイブリッドシステム搭載。 ホイールベースは2870mmあり、室内は広く、ゆったりした気分で乗っていられるのも魅力だ。 レクサスの美点のひとつは、セダンを大事にしていることだ。ラインナップにはSUVが増えてきたものの、「IS」と「LS」があって、そのあいだにこの「ES」が位置する。 今回のES300hには、標準グレードと装備が豊富なこの“version L”、それにスポーティに振った“F SPORT”と、3つのグレードが存在する。これもまた、細かく自分の好みを主張しがちなのが、プレミアムクラスのユーザーとわかっていらっしゃる。 “version L”は、セミアニリン本革シートをはじめ、後席ドア用サンシェード、アンビエントイルミネーション、ハンズフリートランクリッドオープナー、パノラミックビューモニター、3席独立温度調整オートエアコンといった快適装備が充実している。 もうひとつはタイヤサイズ。標準モデルが、215/55R17であるのに対して、235/45R18と、幅がやや広くなり、扁平率が下がっている。 もうひとつはタイヤサイズ。標準モデルが、215/55R17であるのに対して、235/45R18と、幅がやや広くなり、扁平率が下がっている。
プレミアムセダンにふさわしい
ドライブしていいなぁ、と、すぐ思うのは、素直なハンドリングだ。ハンドルの操舵感は、いまのレクサス車に共通するやや重めの感覚。ただし、切り込んだときの車体の反応はよく、すっと切るとすっと動くというか、気持ちよい。うまい設定だ。 素直な動きという点では、加速感も同様。131kWの最高出力と221Nmの最大トルクをもつエンジンに、88kWと202Nmのモーターが組み合わせてある。 ハイブリッドの常で、車体の重さは感じさせず、スーッと出足よく加速していく。この感覚はプレミアムセダンのイメージに合っている。 おとなしいだけじゃない。その気になって、加速すれば、ES300hはきちんと答えてくれる。1700kgの車重は意識させない。ただし、乗り心地がけっこう重厚なのは、いわゆるバネ上重量の恩恵だ。 車内は広々感があって、しかも静粛性が高めなので、これもいまあえてセダンを選ぶひとのお眼鏡にかなうんじゃないだろうか? セダンは、ハッチを持つクルマよりもSUVよりも、静かで落ち着いた雰囲気が魅力なのだから。 そういえば、BMWは今回、新型5シリーズを発表した際に、「(SAVがラインナップで増えているが)セダンは依然としてBMWの中核」と、断言していた。メルセデス・ベンツも同様のことを考えているかもしれない。無理して右へならう必要はないけれど、セダンを大事にしていくって、いかにもセダンを原点としたBMWらしい。クーペや、グランクーペといった、BMW的なパーソナル性の高いモデルも、みなセダンありきで開発されたものだし。 レクサスもセダンを大事にして、この先もESを進化させていくのかは気になるところだ。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)