【株価比較】ファミレス業界を代表する「すかいらーく」と「サイゼリヤ」、コロナ禍から復活も両社とも課題を抱える状態が継続中…
サイゼリヤは国内店舗の赤字を海外店舗の黒字でカバー
サイゼリヤは既に海外事業で稼ぐ状態となっています。同社の2023年8月期のセグメント別の売上高・利益は以下のとおり。 ●日本の売上高・利益 ・売上高1204億円 ・セグメント利益▲14億円 ●アジアの売上高・利益 ・売上高627億円 ・セグメント利益84億円 (豪州のセグメント売上が74億円あるものの、内部振り替えのため割愛) サイゼリヤの全店舗数は1540店ですが、国内店舗1055店に対し、海外店舗は中国中心に485店あり、店舗の3割は海外店舗です。同社の利益は海外店に支えられているといっても過言ではありません。 一方、すかいらーくHDは2023年12月期の全2976店のうち、海外店は台湾の69店が最大です。よって店舗のほとんどが国内です。 サイゼリヤは国内が赤字ながら海外で大きく稼ぎ合計で黒字の一方、すかいらーくHDは国内中心に黒字ながら利益率はサイゼリヤを下回るという状態です。両社ともに経営上の課題を抱えながらも、コロナ禍が明けて黒字化しています。
2024年の両社の株価は横ばいで推移
最後に両社の株価を見てみましょう。 ●すかいらーくHDの株価推移(2023年1月4日~2024年7月8日) すかいらーくHDの株価は2023年から上昇を開始したものの、2024年は概ね2100~2400円台の間で横ばいです。ただし6月初旬時点では、横ばいの中の底値付近に位置しています。 ●サイゼリヤの株価推移(2023年1月4日~2024年7月8日) サイゼリヤもすかいらーくHDと同様に2023年から10月の天井6320円まで上昇が続きました。その後は2024年も概ね5000円台での取引が続いています。 しかし、4月以降は5000円台後半で取引されており、徐々に天井の6320円に近付いています。 両社ともに2024年は横ばいの推移ながら、チャート的に高値更新の可能性が高いのはサイゼリヤといえるでしょう。 利益率は低いながらも国内中心店舗で黒字を維持するすかいらーくHDと、国内事業は赤字ながら海外事業の高い利益率を背景に全体としても黒字を維持するサイゼリヤ。 課題を抱える中で、ファミレス両社の今後業績及び株価がどのような推移を見せるのか注目されます。
参考資料
・株式会社すかいらーくホールディングス「2023年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」 ・株式会社サイゼリヤ「2023年8月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」 ・株式会社サイゼリヤ「決算説明資料 2023年8月期(第51期 2022年9月1日~2023年8月31日)」 ・株式会社すかいらーくホールディングス「2023年度 通期決算説明資料」
石井 僚一