「遠藤先生の線画をそのままぬりえにする、ということが圧倒的な魅力」SPY×FAMILY 担当編集・林士平氏が語る公式ぬりえ「オペレーション〈着彩(イロヌリ)〉-ODEKEKE-」の楽しさ
線画からも窺える遠藤先生の魅力!
――林さんから見て、遠藤先生はどのような作家さんですか? 林 ネームも絵も設定も、作品の隅々まで深く配慮して描かれる作家さんです。本当に細かいところまで考えを巡らせていらっしゃるので、とてもスムーズに楽しく読み進められます。これだけ全体に気を配っているからこそ、これだけ多くの方に楽しまれる作品になっているのだと思います。 ――線画において、遠藤先生の魅力はどこだと思いますか? 林 遠藤先生の絵は大量に線を描き込むというより、どちらかというとシンプルですよね。それなのにこれだけ見応えがあって魅力的な絵であることが驚きです。この線の精度をどう説明すればいいのか……ちょっと言語化できませんね(笑)。 実際『SPY×FAMILY』の原稿は、どのコマを抜いてもグッズにできるくらい、全ページに華があるんですよ。コマの隅々まで魅力を出せる、すごい作家さんです。 ――今回、遠藤先生の線画を改めて見返してみて、気づいたことはありますか? 林 言い方が難しいですが、遠藤先生の線は“柔らかくて生きている線”ですね。 新人さんの中には、デッサンもきちんとしているのに、どこか人形のような硬い印象の線を描かれる方もいます。でも遠藤先生の線は手触りも感じられて、キャラクターが生きている感じがします。 あとは改めて、デザイン面でも凝っていて素晴らしいですよね。 ――イーデン校の制服も作品を象徴する、かなり目を引くデザインですね。 林 デザインは凝っていますが、一方で手間を掛け過ぎないように工夫されているそうです。イーデン校の制服は黒地にステッチが特徴ですが、これはデジタル仕上げで破線が描きやすくなったから採用されたのかもしれません。昔のフルアナログの頃だったら、これを何枚も描くのは大変だったはず。 こういった部分からも、常に発想や技術をアップデートされている方なんですよね。ご自分が楽しめて、連載で描き続けられる塩梅を模索されているのだと思います。
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