「尹大統領逮捕拒否名分」なくし…令状に「刑事訴訟法例外」摘示
ソウル西部地方法院(地裁)が12・3戒厳事態の「内乱首魁」容疑がもたれている尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領に対する逮捕および捜索令状を発付し、このうち捜索令状に「該当令状の場合、刑事訴訟法第110条と第111条の適用は例外とする」という趣旨の文面を摘示したと高位公職者犯罪捜査処(公捜処)が1日、明らかにした。 刑事訴訟法第110条は軍事上秘密を要する場所、第111条は職務上秘密を要する場所の場合、責任者の承諾がない限り押収または捜索ができないという内容だ。これは内乱罪捜査で大統領警護処などが大統領室・官邸・連絡場所などに対する家宅捜索をはねつけてきた主な根拠として引用されてきた。実際、先月27日警察が大統領室や大統領連絡場所などに対する家宅捜索に乗り出した時、警護処はこの条項を根拠に挙げて令状の執行を阻んだ。だが、逮捕令状執行の前提としている尹大統領の所在把握のための捜索は2つの条項が適用されないと裁判所が判断した。 これに先立ち、公捜処は尹大統領に対する逮捕および捜索令状の発付を受けたが、執行過程で物理的衝突が生じる可能性があるという懸念が提起された。今回裁判所が令状に刑事訴訟法第110条と第111条の適用を受けないと摘示したことを受けて、警護処がこれまで捜査機関の官邸接近を阻んだ根拠がなくなった。公捜処としては警護処の抵抗なく官邸に入って捜索し、尹大統領の身柄を確保できる権限を与えられた格好だ。公捜処の呉東運(オ・ドンウン)処長は1日、出勤途中に記者団と会い「6日までとなっている令状の有効期間内に、原則に従って逮捕令状を執行する。前日警護処に公文書を送り、鉄門に鍵をかけて執行を妨害する場合、職権乱用権利行使妨害罪、特殊公務執行妨害罪で立件する可能性があることを厳しく警告した」と述べた。 刑事訴訟法第110条と第111条の例外明示に関連して令状専門担当裁判官の経歴がある裁判官は「警護処に公務上秘密などを理由に拒否してはいけないことを周知させるために入れた文面ではないだろうか」と解釈した。別の裁判官は「特定法条項を例外としておくことを摘示したのは異例のことだが、現状況自体が異例」と話した。公捜処関係者は「警察と執行時期や方法、必要人材などの細部事項について協議中」としながら「早朝の執行は可能だ」と話した。 一方、尹大統領側の尹甲根(ユン・ガプグン)弁護士は「刑事訴訟法のどこにも裁判官にそのような権限は付与していない。これは違法無効で、司法の信頼を侵害する非常に重大な事案だ」と反発した。尹弁護士は「大法院(最高裁)は迅速に真相調査を行い、上記の内容が事実なら、直ちに令状担当裁判官を職務から排除して懲戒しなければならない」と主張した。