相次ぐ「グレーチング」盗難被害 要因は鉄の高騰による転売目的か 道路管理者だけでは限界…対策に苦慮する自治体
岡山県内では2024年、道路の側溝に取り付ける鉄製のふた「グレーチング」の盗難被害が相次いだ。現場ではどんな対策が進められているのだろうか。 【画像】51枚の盗難被害に遭った現場も
被害増加の背景に鉄の高騰
歩行者などの転落防止を目的に設置されているグレーチングは、地域住民の安全のために必要なものだが、2024年10月から11月にかけて赤磐市や総社市などで盗難被害が相次いだ。 県内の被害枚数と被害額は、ともに2022年から右肩上がりで増加している。2024年は2023年と比べて、被害枚数は約4.5倍、被害額は約6.7倍となった。要因は鉄の高騰による転売目的とみられている。
一人でも持ち上げられる重さ
自治体は、どのような対策に乗り出しているのだろうか。 2024年に最もグレーチングの被害枚数が多かった赤磐市の総延長約5kmの農道では、10月に51枚盗まれているのが分かった。 盗まれたものと同じ70cm×90cmのグレーチングを長尾龍希アナウンサーが持ち上げてみると、「かなり重いが一人でも持ち上げられそう」だという。 農道の周囲は人通りが少なく、防犯カメラが設置されていないため、複数人で犯行に及べば比較的容易に持ち去ることができてしまう。 赤磐市建設課の福圓章浩課長は「チェーンでグレーチングを固定するというハード対策もあるが、道路管理者だけでは限界があるので、警察や地域の皆さんと協力して目を光らせていく必要がある」と話す。
比較的安いブロックで対策
現場では、一歩先に進んだ対策に乗り出している。福圓課長によると、盗難があった箇所についてはコンクリートのふたで復旧しているという。 同じサイズのグレーチングの価格は2万円、対してコンクリートブロックは左右1組3000円と、鉄の高騰を背景とした盗難被害防止策を講じているのだ。 福圓課長は「歩いている人が落ちても危ない。職員はいろんな業務がある中で、盗難があることで負担が増加している。怒りのようなものは感じますね」と語った。 グレーチングを盗んだ犯人はまだ逮捕されておらず、警察が捜査を続けている。 (岡山放送)
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