【フカボリ】12月「健康保険証」廃止 マイナ保険証への移行でどうなる?
大分朝日放送
12月2日以降、新たに発行されなくなる健康保険証。大分県内の医療機関からは廃止を危惧する声も上がっています。 政府は12月2日以降、マイナンバーカードと健康保険証が一体化した「マイナ保険証」の導入を進める方針です。 しかし、病院などでトラブルが相次いでいることから、廃止を危惧する声が上がっていて大分県内の医師などが健康保険証を残すため署名活動も行っています。 全国保険医団体連合会が8月に行った調査では、マイナ保険証のトラブルが「あった」と答えた大分県内の医療機関が約6割あったほか、従来の健康保険証を「残すべき」という声も約8割に上っています。 (日本文理大学 長崎浩介准教授) 「市役所や保険者が情報弱者や支援する立場の方により丁寧に説明をしていくべき」 12月2日から新たな発行がなくなる健康保険証。マイナ保険証を登録しないと医療費の控除が受けられないのでしょうか。 詳しく解説します。 (小栗記者) ここからはフカボリです。 12日は、国会で立憲民主党が現行の健康保険証の廃止を延期する法案を提出するなどマイナ保険証の導入については賛否両論ある中ですが、そもそも「マイナ保険証」とはどういったものなのでしょうか。 こちらのマイナンバーカードに健康保険証の機能が追加されたものがマイナ保険証です。 つまり、マイナ保険証というカードが新たに作られるのではなく、マイナンバーカードに保険証の情報、通院やもらった薬などの履歴を一本化するということなんです。 登録方法は、医療機関や薬莢の窓口でカードリーダーを使って登録したり、マイナポータルというホームページやアプリでも登録できます。 では、現行の保険証は12月2日に使えなくなってしまうのか。実は、1年間猶予期間があるんです。 12月2日には健康保険証の新規の発行はできなくなります。 ただ、有効期限がある保険証の場合は、最長で2025年の12月1日までは利用できるんです。 (下野アナ) すぐに使えなくなってしまうということではないんですね。 (小栗記者) しかし、2025年12月2日以降は使えなくなります。それ以降は「マイナ保険証」が無ければ医療費の控除は受けられなくなるのか。 実は、12月から順次「資格確認書」が交付されます。 ただ、全ての人に届くわけではありません。 交付の対象はマイナンバーカードを持っていない人や、マイナ保険証の利用登録をしていない人などです。 資格確認書があれば、12月2日以降も現行の保険証と同じように使えます。 こちらは無償で申請をしなくても自動的に自宅などに届くということです。 ただ、医療機関ではすでにマイナ保険証のトラブルも確認されています。 別府市の垣迫内科医院では、患者の名前の漢字が●(黒い丸)で表示されたり登録されている情報が違っていたりなどのトラブルもあったと言います。 また、利用状況についても20人に1人使うくらいで、高齢の患者さんの利用はほとんどないといった現状だそうです。 医療情報が共有できるなどのメリットもある「マイナ保険証」。 国や市町村が丁寧に利用方法を周知していくことが大切だと感じました。