岡口裁判官、不適切なネット投稿で44万円賠償命令が確定 遺族側上告せず
仙台高裁の岡口基一裁判官(職務停止中)に対し、女子高生殺害事件の遺族の名誉を毀損したとして44万円の賠償を命じた東京高裁判決について、原告の遺族側が控訴しなかったことがわかった。取材に対し、遺族側の代理人弁護士が明かした。岡口判事側も上告できないため、争点となった3つの投稿のうち、2つを不法行為として認定した判決が確定する。 一審・東京地裁判決は、遺族側が「洗脳」されているとした投稿のみ不法行為を認定。遺族側は判決を不服として控訴したが、岡口判事側は控訴しなかった。 2024年1月17日の二審・東京高裁も一審判決を支持し、遺族側の控訴を棄却。ただし、時効完成により請求自体は退けたものの、発端となった女子高生殺害事件についての投稿も不法行為と認定した。 岡口判事はこれらの投稿などを理由に現在、弾劾裁判にかけられている。 取材に対し、遺族の岩瀬正史さん、裕見子さん夫妻は以下のようにコメントした。 「最初の投稿が『不法行為』と認められたことは良かったです。時効といっても、私たちにとっては一生忘れることのできない傷で、なかったことにはなりません。ただ、裁判中は無関係の人から酷いことを言われることもありました。すべてに納得しているわけではありませんが、日常生活への支障も大きいため、これ以上長引かせないことにしました。今後は佳境に近づきつつある弾劾裁判の行方を注視したいと思います」
弁護士ドットコムニュース編集部