〈男子決勝・羽黒－米沢中央〉第４クオーター、残り約５秒で羽黒の柏崎歩人（中央）が３点シュートを決め、65－65の同点に追い付く＝山形市総合スポーツセンター

　バスケットボールの全国高校選手権（ウインターカップ）の県予選を兼ねた県高校選手権は最終日の27日、山形市総合スポーツセンターで男女の決勝が行われ、男子は羽黒が米沢中央を81―70で下して7年連続8度目、女子は山形中央が酒田南を75―56で破って6年連続6度目の優勝を果たした。 　男子の羽黒は第3クオーター（Ｑ）終了まで米中央にリードされる展開。第4Ｑは一進一退の攻防となり、残り26秒で米中央の3点シュートで62―65とされたが、残り約5秒で柏崎歩人が3点シュートを決めて同点に追い付いた。延長戦は地力を発揮して米中央を突き放した。 　女子の山中央は第2Ｑまで酒南の高さと粘り強い守備に苦しみ、先行を許した。第3Ｑに宮林美優が体を張ったプレーで連続得点し、逆転に成功すると、その後は内外からの多彩な攻めで快勝した。 　優勝した両校には、女子の元日本代表主将でＷリーグトヨタ自動車の大神雄子ヘッドコーチ（ＨＣ、山形市出身）からの寄付金を活用して作られた優勝杯が贈られた。両校は、12月23日に東京都内で開幕する全国大会に出場する。

〈女子決勝・山形中央－酒田南〉第３クオーター、山中央の宮林美優（中央）がシュートを決め、33―36と追い上げる

▽男子決勝 羽黒　81―70　米沢中央 ▽女子決勝 山形中央　75―56　酒田南　 起死回生の第4Ｑ、残り5秒から同点 　【ハイライト】男子の決勝は意地のぶつかり合いとなった。第4クオーター（Ｑ）、同点で迎えた残り約26秒。米沢中央に3点シュートを沈められ、絶体絶命の窮地に陥った羽黒は、残り5秒の攻撃に全てを懸けた。ボールを受けた柏崎歩人が放った3点シュートは、チームが息を吹き返す起死回生の一撃となった。 　序盤から高い集中力を発揮して得点を重ねる米中央に先行を許す展開。主将の加藤誠大は「第2、3Ｑで逆転してリードする展開を想定したけど、自分たちがふがいなかった」と終盤まで劣勢だった内容を反省した。 　第4Ｑでようやくエンジンがかかり、八木叶が鋭いドライブで何度もゴール下に飛び込むなどして残り5分で54―52と逆転した。一気に突き放しにかかったが、米中央は満身創痍（そうい）ながらしぶとかった。残り5秒、羽黒の2年生の柏崎は「3年生とウインターカップでプレーしたい」との一心でシュートを放ったという。願いは通じ、延長での勝利を呼び込む殊勲者となった。