岡山県北舞台 森の芸術祭が開幕 高原や鍾乳洞、城跡にアート
岡山県北12市町村を舞台に初のアートイベント「森の芸術祭 晴れの国・岡山」(県などでつくる実行委主催)が28日開幕した。12カ国・地域から選ばれた42組のアーティストが高原や鍾乳洞、歴史的町並みといった地域資源を生かして作品を展開。多くの美術ファンらが広大な地域を巡り多彩なアートを楽しんだ。 【動画】「森の芸術祭」初日の様子 国際美術展などで活躍する長谷川祐子・金沢21世紀美術館長をアートディレクターに迎え、山がちな県北らしく「森」をテーマに、アートを通じて自然や文化といった地域の魅力を引き出す。11月24日までの会期中、蒜山高原(真庭市)や満奇洞(新見市)、津山城跡(津山市)など広域に分散した21会場に展示する。 奈義町豊沢の屋内ゲートボール場・すぱーく奈義では人気美術家レアンドロ・エルリッヒさん=アルゼンチン出身=の神秘的な空間芸術作品を展観。つり橋を歩くと、天井から生える300本のフェイクツリーが鏡に映って反転し、森の上を歩くような浮遊感に包まれる。男性会社員(28)=同町=は「楽しみにしていたが、想像以上にきれいで驚いた。高さや奥行きも感じさせて、空間作りが上手ですね」と感心していた。 開幕に先立ち、津山市山北の国名勝・衆楽園で式典があり、関係者約60人が出席。伊原木隆太知事と長谷川アートディレクターが「隠れた資源をアーティストの力で見える化し、ベストな芸術祭になった。岡山県北の良さを実感してもらいたい」とあいさつした。