2度目の起業で見えた「学習塾向け業務効率化支援」の勝算
栗原慎吾(くりはら・しんご)/1983年生まれ。2007年に明治大学経営学部卒業後、住友スリーエム(現スリーエム ジャパン)入社。起業の失敗を経て、2012年に友人の経営する学習塾、ST進学教室に入社。2015年に当社を設立し代表取締役に就任(撮影:今井康一)
11月15日にPOPER(ポパー、 5134 )が東京証券取引所グロース市場に上場した。同社は顧客である塾にクラウド経由でサービスを提供、利用料として生徒1人当たり300~500円を受け取る、SaaS(Software as a Service)型のビジネスモデルで、2021年10月期の売上高は4.4億円、経常利益は創業以来の赤字が続く。市場からの資金調達額も1.2億円、上場時の時価総額は26億円というスモールIPOだった(公募価格700円に対し初値は1100円)。成長途上のポパーはなぜ上場するのか、ビジネスモデルや強みは何か、代表の栗原慎吾氏に聞いた。――まず創業の経緯を教えてください。 祖父が埼玉県の地場自動車ディーラーの社長で、父も上場する中堅化学メーカーの社長をやっていた。どちらも創業者ではなく、サラリーマンとして経営者になっている。小さいときからそういう姿を見ていて、自分も経営者になりたかった。 大学で経営学を学び、新卒で入った会社を数年で辞めて、友人と「経営者になりたい」という理由で起業した。7割ぐらいが起業したいという思いだったから、もちろん失敗した。そのとき26歳で実力もなかった。当たり前だが、なぜこの事業をやるのか、自分自身のなかにこれをやるべきだと思えるものを持っていることが大事だと気づかされた。 ――有名な会社に就職して、いざ起業をしてみて失敗した。再び起業するまで心が折れることはなかったのですか。
本文:4,107文字
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松浦 大