世界の中で日本株だけが弱い? 5月の日経平均は「セル・イン・メイ」ではなく「買い」だ
だが、直後から売られるいつものパターンに戻ってしまった。オプションSQ値は、弱い相場の象徴とされ、立ち合い中に一度もSQ値を上回らない、いわゆる「幻のSQ」でもなかった。 ■なぜ日本株は弱いのか? 兜町は「待ち作戦」 この日本株の弱さはどこから来ているのか。今週(13~17日)は16日に日本の1~3月期GDP速報値が出るが、民間シンクタンクのほとんどが「実質で前期比マイナス」を予想している。この辺も売り材料になっているのか。
あるいは、9日に出た3月毎月勤労統計調査で、実質賃金が前年同月比2.5%減と、過去最長の24カ月連続の減少となったことを嫌気したのだろうか。 さらに、欧州株は強いが半導体株人気が低下している米国株市場で、短期金利の利回りが長期金利を上回る逆イールド状態が続いているのを嫌気したのか。 はたまた、日経平均の予想EPS(1株当たり利益)が3月4日の2387円45銭をピークに、100円以上も低下して来たのを嫌気したのか。兜町は手詰まり感に陥っている。
現在の兜町筋の動向を集約すると、「とりあえず決算発表後のアナリストレポートが出そろうのを待って、マーケットがどんな様子になるか確認してから攻めよう」となっている。 連休前から始まった決算発表は、15日あたりでおおむね終わる。連休後に大量に出たこともあって、今のところ、アナリストたちは決算数字を集めるのに手いっぱいで、ゆっくりレポートを書くことができていない。だが、大半の発表が終わる16日あたりからは続々と出てくるはずだ。
2025年3月期を中心とする各社の今期予想傾向としては、為替を読み切れないことなどから、かなり慎重になっている。例えば、トヨタ自動車の想定レートも1ドル=145円となっている。現在の155円前後とのギャップを、アナリストたちはどう判断するのだろうか。 前回の「5月以降の日経平均を決める最大のヤマ場が来た」(4月29日配信)でも書いたが、日経平均の下値のメドは昨年10月4日の安値3万0526円から今年3月22日の史上最高値4万0888円までの上げ幅(1万0362円高)の「3分の1押し」に当たる3万7434円だ。