マカオで今年17例目の輸入性デング熱感染確認…患者は広東省仏山市渡航歴ある82歳男性
マカオ政府衛生局(SSM)は10月25日夜、マカオ域内で今年(2024年)17例目(月内12例目)となる輸入性デング熱感染例を確認したと発表。 同局によれば、患者はタイパ島の北部にあるマンションに住むマカオ居民の82歳男性で、10月11日から13日にかけて親族訪問のため広東省仏山市へ滞在。マカオへ戻った後、21日に筋肉痛・関節痛等の症状が出現し、25日に私立総合病院の鏡湖醫院を受診。同日、同院で実施した血液検査の結果が明らかとなり、デング熱Ⅰ型に感染していることが確認されたという。 目下、患者の容体は安定。患者は同局の疫学調査に対し、発症後にマカオの公園を訪れたり野外活動に参加したことはなく、同住の家族に体調不良の者はいないと説明したとのこと。同局では、患者の渡航歴、発症時間、検査結果を踏まえ、輸入性デング熱であると判断し、患者のマカオの自宅及び主な活動場所周辺に職員を派遣して蚊の駆除を実施するとした。
このほか、同月23日にマカオで初めてとなるデング熱の当地感染例が確認されたことに絡み、患者の自宅(マカオ半島北西部の青洲エリア)及び勤務先(孫中山記念市政公園・二龍喉公園)周辺で関連症例の捜索を進めている。これまでに住宅3200戸、マンション・ビル17棟、117店舗を巡回し、デング熱と疑われる症状の居民9人を発見し、血液検査を経て当地感染例の患者と同じマンションから1例(患者は5歳女児)の感染確認に至り、残る8人は未感染だったことがわかったとのこと。ただし、当地感染が確認された患者と型が異なり、また広東省中山市へ渡航歴があり、当地感染とは無関係の輸入性感染例(第16例)とされた。 同局では、今回の関連症例の捜索にあたって居民の自宅の花瓶や鉢植えの底の皿の部分、また公共エリアの水たまりでボウフラが発生している状況が見つかり、デング熱の電波リスクが高まるとし、これらの処理を進めると同時に、居民に対して啓蒙を行ったという。 昨年のマカオにおける輸入性デング熱感染確認は7例だったが、今年は2月(1件)、5月(1件)、6月(2件)、7月(1件)、10月(12例)の計17例に達している。今年については、これに加えて10月に当地感染確認が1例。 10月に入って以降、新規感染確認例が急増している状況で、同局は外地とマカオの人の往来が増え、デング熱を媒介する蚊の活動も依然として活発とし、累次の注意喚起を行っている。