温かな光を放つ作品。日本画のふすま絵も照らし出される＝いずれも丹波篠山市今田町木津

　絵画や陶芸、立体造形などの作品から音楽演奏まで、多彩な芸術が楽しめるイベント「秋の夕べ　ほのぼのアート」が１６～２０日、古民家ギャラリー「画廊アートカフェ木津」（兵庫県丹波篠山市今田町木津）で開催される。明かりを取り入れたり、生命の輝きを表したり、有形無形の「光」をテーマにしたアートが集結。農村風景が広がるのどかな地域に彩りを添える。（秋山亮太） 【写真】色とりどりのステンドグラスのランプが並ぶ展示会場 　施設を運営する日本画家の伴直子さん（７２）＝三田市＝が企画。ジャンルを超えて声をかけ、丹波や三田、小野、神戸市など県内各地の作家らが参加した。 　光を使った展示を中心とした構成で、陶芸家の坂野正幸さん＝丹波市山南町篠場＝は陶製のランプなどを出展。棒状に伸ばした土をかごのように組み合わせた繊細な造りの作品や、表情が愛らしい人形が並ぶ。 　ステンドグラスの照明は、三田市で能面作家「小白」として活動した故臼井茂生さんのコレクション。ブドウや竹林など個性豊かなデザインで、明かりが鮮やかさを引き立たせる。「きらきら書道」（三木市）の展示コーナーは、障害の有無や年齢にかかわらず、思いのままに自由に表現した作品がずらり。目には見えない「心のきらめき」を感じさせる。 　暗室にした２階では個性光るアートが迎える。部屋の中央に輝く柱は、地元の西嶋英明さんがすだれや照明器具などで制作。天井に鏡をちりばめて温かな空間を演出した。伴さんは屋根裏で見つけた空のハチの巣を照明で浮かび上がらせ、イタチや野ユリの日本画と一緒に見せることで木津地区の自然を表現した。ミツバチの生態や生涯を題材に物語性のある絵も描いた。 　期間中には音楽企画も開催。１６日は「ライアー」というたて琴の演奏を岩田久美さん＝神戸市北区。１９日は箏（そう）とフルートの音楽ユニットがランプの明かりがともる空間で音色を響かせる。 　伴さんは「秋のひととき、多種多様な芸術と木津の豊かな自然で心を癒やしてもらえたらうれしい」と話している。 　午前１１時～午後６時（２０日同４時まで）。入場無料。黒豆を使った「バーガー」などの軽食販売もある。