英王室守る近衛兵の「帽子」に価格高騰の波

イギリス王室を守る近衛兵の黒い毛皮の帽子。動物愛護の観点に加え、価格高騰の波を受け問題となっています。 イギリス王室を守る近衛兵が被る毛皮の帽子は、クマの毛皮でつくられています。 高さは46センチメートル、重さは700グラムあり、特徴的なデザインは、18世紀から19世紀にかけて起きたナポレオン戦争のころ、兵士の身長を敵よりも大きく見せて威嚇するために用いられたことが起源とされています。 正しく使用、保管すれば、80年以上使い続けられるということです。 BBCによりますと現在の調達価格は、1個およそ2000ポンド日本円で37万円以上で、この2年間で480ポンド・8万9千円以上値上がりしたということです。 イギリス国防省は、2022年に13個、2023年には24個調達していてこの10年で合計100万ポンド1億9千万円近く費用がかかっているということです。 使用するクマの毛皮はカナダで合法的に捕られたものに限っていて、契約の関係上、価格が高騰したと説明しています。 一方で、「安全性や耐久性など必要な条件を満たす人工毛皮があれば代替品を検討する用意はある」としていますが、現時点では、具体的な予定はないということです。 近衛兵の帽子への毛皮使用を巡っては、以前から動物保護団体などが反対していて、今回の価格高騰を受けてコスト面からも批判しています。 イギリス王室内部でもカミラ王妃が、エリザベス女王に続き毛皮を使った衣服を購入しないこと表明していて今後、近衛兵の帽子を巡る議論が高まる可能性があります。