山々が白い霧から顔のぞかせ 日野・明地峠で「雲海」
鳥取県日野町門谷の明地峠(約620メートル)などで31日朝、山の間に霧が広がり、海のように見える「雲海」が見られた。中国山地の山々が白い霧から顔をのぞかせ、幻想的な風景が広がった。 放射冷却によって起こる雲海は、空気中の水分が霧となって発生する自然現象。昼夜の温度差があり、風がほとんどないなどの気候条件がそろった夜明けから早朝にかけて、山間部や盆地などで見られる。 明地峠は観望名所の一つで、国道180号沿いには、同町の真住公民館(松本利秋館長)の有志が展望スポットを整備している。1977年の映画「八つ墓村」で村を見下ろすシーンが撮影された地でもあり、ドラマチックな写真が撮れると人気。この日は夜明け前から人が集まりカメラやスマートフォンで撮影していた。 松本館長(78)は「これからは紅葉や大山の冠雪が雲海と重なり楽しみな時季になる。雲海は反対から読むと『かいうん(開運)』。ぜひ見に来ていただき、運を開いて帰ってほしい」と話した。
日本海新聞