ドラマ「沈黙の艦隊」出演の上戸彩さん「言葉にすることをあきらめない」
■ちゃんと言葉にしないと伝わらないし、変わらない 「信念を持つことは素敵ですけど、信念を持たなくてもいいと思うんです。こうありたいという強い思いがないからこそ、いろんな経験ができたり、その先で思いもよらない自分に出会ったり。私自身、その経験があったから今の自分がいると感じています。10代の頃は自己表現できる人に憧れたりもしたけど、私は誰かに料理されるほうが向いていることに気づけた。お芝居も演出が細かいほど答えを見つけやすくなりますし、実は私、“ご自由に”がいちばん苦手なタイプなんです」 未来への明確なビジョンがない自分をふがいなく思うこともあったが、それも「目の前のことに全力を注ぐからこそ。未来を見ないんじゃなく、そんな余裕がないんだ」と気づき「その分“私は頑張ってきた、後悔はない!”と言える、そんな自分が好きになった」と笑う。自分を決めつけず、柔軟に、自分らしい歩き方を探しながら前進してきた上戸さんだが、ただひとつ、誰に何を言われようと大切に貫いてきたものがある。それは“自分の思いを言葉でちゃんと伝えること”だ。 「たとえ自分の意見が通らなくても、私はこう思っていますよと。目の前の仕事はプロとしてちゃんとやるけれど、そこで自分が何を思い考えているのか、それだけはあきらめずに伝え続けてきました。不満やイヤだと感じていることも臆せずに伝える。それってすごく怖いことでもありますよね。でも、言葉にしないと相手には伝わらない。まあいっか、自分だけ我慢すればいいやって、伝えることをサボるのはとても簡単。でも、それを続けてしまうと、周りだけでなく自分自身もどんどん自分の気持に鈍感になっていく。そして、気づかぬうちに自分の大切なものを失っていたりして。私はそっちのほうが怖い、だからこそ、思うんです。仕事も人間関係も大切なことほど“伝えること”を怠けてはいけないなって」
ジャケット¥44000・パンツ¥23100/アダム エ ロペ Tシャツ¥57200/コロネット(ロゼッタ ゲッティ) ネックレス¥132000・リング¥60500/サラース カスタマーサポート(サラース) 上戸 彩 うえと あや●1985年9月14日生まれ。97年「第7回全日本国民的美少女コンテスト」をきっかけにこの世界へ。ドラマ「3年B組金八先生」での演技で注目を集め、その後は「絶対零度~未解決事件特命捜査~」『テルマエ・ロマエ』「昼顔」「半沢直樹」等、数々の話題作に出演。プライベートでは2012年に結婚。現在、3児の母でもある。
ドラマ「沈黙の艦隊 シーズン1 ~東京湾大海戦~」
出演:大沢たかお、玉木宏、上戸彩、江口洋介ほか Prime Videoで世界独占配信中 かわぐちかいじによる大ヒット漫画を実写化。原子力潜水艦を乗っ取った海江田(大沢たかお)、それを止めようとする深町(玉木宏)、その裏でうごめく日米政府の思惑……東京湾で巻き起こる大海戦を壮大なスケールで描き出す。 撮影/吉田 崇 ヘア&メイク/河北裕介 スタイリスト/百々千晴 取材・原文/石井美輪 ※BAILA2024年5月号掲載