「苦手な分野を補完」「話し相手として相談」“生成AIのメリット”をアドビ株式会社CDOが解説
◆“生成AIに相談してみる”のが最初の一歩
続いて、西山さんは“生成AIのメリット”について、「生成AIの何が良いかというと、例えば、反復作業などの“(人が)やりたくない仕事”を劇的に減らせることが何よりも大きいですし、“苦手な分野を補完してもらう”という部分でも役立つと思います。実際に私は、ビジネスの企画書を書く際、いろいろと仮説を立てて、それを裏付けるデータを何時間もかけて調べるので、その準備に時間を要しますが、生成AIを使えば、簡単に自分の仮説が証明できます」と語ります。 そして、「自分が苦手なところを確実にカバーしてくれるので、やりたいことやゴールが明確にわかっていて、問題解決したい事柄がクリアになっている人ほど生成AIの利便性をフル活用できると思います」とキッパリ。 ここで笹川が「“これから生成AIを使ってみたい”という方は、まずどうやって使うのがいいですか?」と質問。これに西山さんは、写真の加工など簡単な作業から入りつつ、「例えば、アイディエーション(アイデア出し)に取り組むときに、自分1人だけで考えているとどうしても煮詰まってしまうので、思いついたことを生成AIにどんどん投げてみる。すると、予想外の反応が返ってきてアイデアが膨らむ、という効果もあります。とにかく“話し相手としていろいろ相談してみる”のが最初の一歩になると思います」と答えます。
◆生成AIの今後の展望
最後に、生成AIの今後の展望について伺うと、「生成AIは日進月歩で進化していますので、来年になると、また想像もつかないようなことが起こっている可能性は十分にありえますし、(それと同時に)さまざまな懸念事項がクリアになっていくべきだと思います」と力を込めます。 さらには「生成AIによって多くの方々の生産性が高まり、フェイク情報もすぐに判断できるようになっていき、生活に馴染んでいる状態になることは間違いないと思っています。作り手の負荷が下がり、受け手にとっては自分に関係性の高いものが届くので、より良い世界になっているはず」と期待を込めます。 そして、現代においても生成AIがビジネス面で広く活用されていることを受け、「テクノロジーが良いことに使われることで、我々にとってやらなくてもいい仕事が減り、質を高めるべきところに時間と手間、それぞれの知力を注ぎ込める。それが本当の意味での(生成AIの)恩恵だと思います」と話していました。 (TOKYO FM「DIGITAL VORN Future Pix」2024年11月9日(土)放送より)