韓国で最小の260gで生まれた赤ちゃん、198日の奇跡…3.2キロで無事退院
生存率36%未満の医学的限界を越えて 3.2キロに健やかに育ち、無事に退院
体重260グラム。韓国で最も少ない体重で生まれた新生児が、198日の集中療法を受け、無事に退院した。 韓国で最小、世界で14番目の小ささの260グラムで生まれたイ・イェランちゃんが、サムスンソウル病院の新生児集中治療室などで198日間の集中治療を受け、5日に元気に退院した。同病院が12日に明らかにした。新生児は、母親と父親が妊娠の事実を確認した日がペペロデーの11月11日だったことから、「(ペ)ペロ」と呼ばれた。元気に育っていた胎児は、妊娠21週目に成長が止まった。子宮内での成長遅延に加え妊娠高血圧症候群を患ったことで、母親は通っていた個人病院から大学病院を経てサムスンソウル病院に移った。そして、妊娠25週の5日目である4月22日、帝王切開で分娩した。 子どもは成人の手のひらの大きさで生まれた直後から、呼吸不全や敗血症性ショックと戦わなければならなかった。母子集中治療センターに移され、人工呼吸器治療や輸血などの高強度の治療を受けたが、生後1カ月も経たないうちに腸が詰まった。手術に耐えるには子どもの体があまりにも小さいため、病院の新生児チームのヤン・ミソン教授、ファン・ジウン教授、パク・ソンヒョン教授、イ・ナヒョン教授が毎日少しずつ胎便を取り出さなければならなかった。 ヤン・ミソン教授は「新生児集中治療室の医療スタッフは全員、子どもが(自分で)初めて排便したのを見た瞬間を忘れられない」として、「このときから、必ず元気な姿で退院できるだろうという信頼がいっそう強くなった」と語った。 その後、見違えるように好転し、人工呼吸器を外して自発呼吸を始め、体重も増えた。病院の眼科で毎週網膜検査を受け、未熟児に多い網膜症を防ぎ、リハビリ医学科で毎日口腔と運動のリハビリ治療を受けながら気力をつけた。順調に回復する姿に、病院の医療スタッフはイェランちゃん(イェランイ)を病院のある逸院洞にちなみ、「逸院洞のホランイ(虎)」とも呼んだ。 退院時の体重は3.19キログラムで、出生時に比べ10倍以上に育った。哺乳瓶をくわえる力なども他の子どもたちと同じくらい元気になった。健康保険審査評価院によると、韓国で500グラム未満の新生児の生存率は36.8%。医療スタッフと両親、子ども自らが希望を捨てずに奮闘した結果、元気に退院する「奇跡」が起きたというのが、医療スタッフの説明だ。 サムスン・ソウル病院のチャン・ユンシル母子集中治療センター長は、元気に退院した様子について、「今後生まれてくるすべての低出生体重児の希望となる子ども」だとして、「医学的限界を超えても、生命の火種を生かせる多くの機会を探るため、あらゆる人の関心と支援が必要だ」と述べた。 チョン・ホソン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )