投資成績を大きく左右する本番がある!株式投資でベストパフォーマンスを出す方法
株式投資にはスポーツと同じように練習と本番がある……。足立公認会計士事務所代表の足立武志氏は、著書『お金偏差値30でも始められる 株式投資の教科書』の中でこのように主張しています。一体それはどんなものでしょうか? 方法を本書から紹介します。
資産最大化のチャンス! 次の「大相場」に乗るための基礎練習
株式投資でベストパフォーマンスを出すためには「日々の練習」が必要です。スポーツの練習に例えて、その方法をお伝えしましょう。 まず一つ言えることは、スポーツの世界にも株式投資にも「本番」がある、ということです。スポーツの世界では、試合や大会といった「本番」に向けて、選手は日々練習を続けます。それは、本番でベストパフォーマンスを出すためです。筆者は、このことは株式投資の世界でも同じだと思っています。実は株式投資も「本番」があり、ここでのパフォーマンスが投資成績に大きく左右されるからです。 株式投資の「本番」とは? 株式投資の「本番」とはいつか? 筆者は、ほとんどの銘柄の株価が大きく上昇する、いわゆる「大相場」の時期が株式投資の本番だと思っています。大相場では、銘柄選択によるパフォーマンスの差は小さいです。その期間に株を保有していることができれば、それだけで大きな利益につながります。 逆に、大相場が崩れて、二極化相場や一握りの銘柄しか高値を更新できていない相場だと、銘柄選択を誤ると、全くといってよいほど利益が上がらない、というのが現実です。投資する銘柄を10銘柄ピックアップして実際に投資したところ、そのうちの2つは株価が大きく上昇したものの、残り8つは逆に株価が下落……となれば、トータルでの利益は小さいものになってしまいます。トータルで損失となる可能性もあります。 大相場の時期以外でも、株価が大きく上昇する銘柄は確かに存在します。「それを選ぶことができるように銘柄分析力を高めればよい」という声もありますが、プロの投資家でさえ難しいものを個人投資家ができるようになるとは到底思えません。株式投資では、利益を上げることが容易な局面とそうでない局面とがあります。そして、利益を上げることが容易な局面でしっかりと利益を出すことこそが、パフォーマンスの向上につながるのです。 ●二極化相場 ある銘柄群だけが買われて上昇し、それ以外の銘柄は無視され株価が低迷しているような相場状況のことを意味します。 筆者が25日移動平均線を売買の基準にしている理由は? 筆者は、株価が25日移動平均線を超えたらすぐに買い、割り込んだらすぐに売る、という売買手法をずっと繰り返しています。なぜこれを行っているかといえば、「本番」の大相場が到来した時、しっかりと利益を得ることができるようにするためです。このルールに沿って売買をしていると、「大相場にすんなりと乗ることができる」という大きなメリットがあります。 大相場になれば、株価が25日移動平均線を上回った状態の中、株価が上昇を続けます。そのため、株価がいくら大きく上昇しても、それに乗り続けることができるのです。実際、筆者も2012年11月中旬から2013年5月までの間、このルールを貫徹したおかげで多くの利益を得ました。 ●25日移動平均線 「移動平均線」は株価の値動きを分析するための「テクニカル指標」の一つです。まず、期間を設定し、その期間内の株価の終値を足して期間数で割ることで、その期間中の株価の平均値を計算。その平均値を結んだ線が移動平均線です。 移動平均線の傾きで値動きの方向性=トレンドを判断することができます。株価が移動平均線からどれぐらい離れているか(「かい離」といいます)で、値動きの勢いや過熱感を見ることもできます。 また、期間の違う移動平均線の並び方からトレンドの状況や勢いの変化を判断します。株価が25日移動平均線を上に超えるということは、これまでの25日間の株価の平均値を超えたことで、株価の上昇に勢いが出たシグナルになります。
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