【独自取材】自民党“裏金”リスト86人 最も多い使い道「事務所で保管」 脱税の可能性?
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■一体何に使った? 最多は「事務所で保管・未使用」
今回“裏金”が分かった86人の「使い道」は次の通り。最も多い「事務所で保管・未使用」は26人、次いで「事務所経費・会合費等」20人、「不明・未回答」22人、「政治活動費」12人という結果。 注目すべきは最多の回答となった「事務所で保管・未使用」だ。“裏金”に手を付けないままにしていれば、使っていないので、自らの政治資金収支報告書の「支出」欄で使い道を明らかにする必要はなくなる。 一方でこうした現金・預金などでの“裏金”保管は使途の公開とは別に、「課税」つまり税金の面で問題が起きうると指摘されている。手つかずのままになっていた“裏金”が政治団体の収入であれば「政治資金」として非課税の扱いになるのだが、国税当局によって議員個人の収入だと認定されると個人所得として税金がかかるのだ。野党側は「そもそも“裏金”になっている以上、政治資金ではなく議員個人の所得として扱うべきで、所得税の脱税に当たる可能性もある」と追及を強めている。 【“裏金”の主な使い道】 事務所で保管・未使用 26人 事務所経費・会合費等 20人 不明・未回答 22人 政治活動費 12人 その他の回答 6人
■3年分しか不記載額を明らかにしない議員も…
今回、日本テレビが独自に実施したアンケートや各議員に対する取材では、訂正した収支報告書が公開される直近3年分だけではなく、東京地検特捜部が時効にかからない範囲として立件した過去5年分の不記載額について質問した。 その結果、アンケートや取材に回答しないなどの理由で3年分しか不記載額を明らかにしなかった議員はあわせて19人にのぼった。今後、これら19人の議員について5年分の不記載額が明らかになると、いわゆる“裏金”の総額はさらに増え、ランキング上位に浮上してくる議員も出てくるとみられる。 また、萩生田前政調会長や高木前国対委員長のように自らの政治資金収支報告書を訂正したものの、使途や金額を「不明」とし、詳細を明らかにしない例も相次いでいる。 いまだに具体的な“金額”や“使い道”の全貌を公表していない議員には、自民党による聞き取り調査やアンケートの公表に先立って、速やかに正確かつ明確な説明をすることが求められている。