【クイーンC回顧】クイーンズウォークが示したスケール感 マイルより中距離路線で期待大
中距離型を多く出す重賞
桜花賞は8週間後。我々の感覚では春はまだまだ先のように感じるが、8週間は競馬の世界ではすぐそこといっていい。競馬で消耗した体力を回復させ再始動し、体調をピークにもっていく。そんな一連のアプローチはひと月では足りないかもしれない。外ラチのこちら側と向こう側では、流れる時間は同じでも肌感覚は大きく異なる。クイーンCから桜花賞直行がベストローテになる日もくるか。 【京都記念2024 推奨馬】パワー型で時計のかかる馬場は歓迎、単勝回収率239%の好データ該当! SPAIA編集部の推奨馬を紹介(SPAIA) とはいえ、クイーンCから桜花賞を制した馬は2022年スターズオンアース1頭で86年以降【1-4-5-45】。ただ、スターズオンアース(クイーンC2着)が出た以上、もはや勝てないローテではなくなった。時代の変化には敏感でありたい。一方、クイーンCからは昨年のハーパーや21年アカイトリノムスメ、19年クロノジェネシスなど中距離向きの馬が多く出現する。 今年の勝ち馬クイーンズウォークはレースぶりから明らかに距離延長でさらなる素質を開花させそうだ。前後半800m47.1-46.0と変則的ではあったが、スローペースのなか、4コーナー11番手から大外一気を決めた。遅めのマイル戦でも前半、流れに乗らないあたり、明らかにマイラータイプではない。変則ラップで必ずしも先行優位とはいえない競馬だったので、流れと逆の競馬をしたとはいえないが、スケール感は申し分ない。
最速ラップは残り600~400m
母ウェイヴェルアベニューといえば、フランケル産駒の持ち込み馬グレナディアガーズの印象が強い。母も7ハロンのGⅠであるBCフィリー&メアスプリントを制し、得意は1400~1600mだと考えていたが、父がキズナにかわり、クイーンズウォークは中距離の方が走りやすそうだ。 キズナは牡馬だとパワー寄りに出るが、牝馬ならソングラインなど切れ味鋭い産駒を出す。この日も上がり600mはメンバー中最速の33.4。ゴール前の脚色は一枚上だった。兄は2歳GⅠ制覇後、春は足踏みしてしまったが、底力勝負になるGⅠでは、実際の距離より少し長めの適性が問われる。ならば妹がクリアしてもおかしくあるまい。 変則的なラップとは、後半800m11.6-11.1-11.6-11.7のうち、2番目の残り600~400m11.1を指す。東京や新潟で先行勢が瞬発力勝負を嫌い、早めに勝負に出ると、このように最速区間が手前に動く。東京でいえば、4コーナー出口から坂下にあたる。この地点で11.1を出せば、坂を上がったラスト200mが遠く感じる。後半11.6-11.7と踏ん張る形になったことで、クイーンズウォークら差し馬勢に展開が向いたのは事実だ。スケールを評価しつつも、この点は覚えておこう。やはり、勝ち馬は中距離がよさそうだ。桜花賞はどれほど消耗戦になるかにかかっている。