「説明になっていない」 ローカル線の維持、国の方針見えず広島の玉井優子副知事が一蹴 JR芸備線の存廃巡る協議会
JR芸備線備後庄原―備中神代間(広島県庄原、岡山県新見市)の存廃を話し合う再構築協議会の第2回会合が16日、岡山市北区であった。全国の鉄道網維持に関する国の方針が見えないとして、沿線自治体から批判が相次いだ。 【画像】玉井優子副知事 3月の第1回会合で国の方針を示すよう求める声が出たため、この日の会合の冒頭で国土交通省鉄道事業課の軽部努課長が説明。「大量輸送機関の鉄道特性が生かされていない路線は、事業者や自治体が十分に議論し、最適な形で交通手段の維持・確保を図ることが重要」とし、輸送密度(1キロ当たりの1日平均乗客数)が4千人を下回るローカル線が再構築協議会の対象になり得るとした。 これに対し、広島県の玉井優子副知事は「協議会の議論を進める上での大前提だが、説明になっていない」と一蹴。芸備線の協議区間と同じく輸送密度が4千人を切る県内の木次線、福塩線と呉線の一部区間などを挙げ「ローカル線の廃止が全国で際限なく広がるのを危惧する」と強調した。 新見市の根石憲司副市長は「芸備線は広域のネットワークでもあり、南海トラフ地震の際は山陽線の代替にもなりうる」とし、「国は代替になり得ないという考えか。理由を示して」と訴えた。 会議終了後、議長を務める国交省中国運輸局の金子修久(のぶひさ)局長は「自治体側がふに落ちないのであれば、説明を尽くすように努めたい」と述べた。 会合では、芸備線の潜在需要などの調査事業を近く始めることを決定。安芸高田市の協議会加入も了承した。
中国新聞社