年収600万円の50代の男です。年金「月額10万円」はもらえるでしょうか?
自営業者やフリーランスは?
ここで注意が必要なのは、「自営業者やフリーランスといった国民年金加入者は、年金の支給額が別で計算される」という点です。先のように、収入によって支給される年金額が変化するのは、厚生年金の加入者です。 自営業者やフリーランスなど国民年金加入者は、加入期間と保険料の納付済月数によって、支給額が変わります。加入期間は最大40年間、納付済月数は最大480月です。 仮に40年間(480月)国民年金保険料を納めつづけた場合、日本年金機構によると、受け取れる国民年金額は満額で、月当たり6万8000円です(令和6年度ベース)。年収が400万円でも600万円でも、1000万円であっても、国民年金の支給額は同じ、月当たり6万8000円です。 もし、国民年金支給額を10万円台に増加させるのであれば「繰下げ受給」をすることになるでしょう。繰下げ受給は、年金の受取開始時期を66歳以降にズラすものです。繰下げ受給は1ヶ月単位で、最大75歳まで行え、1ヶ月繰り下げるごとに将来受け取れる年金額は0.7%増額されます。 仮に国民年金月額6万8000円を10年間繰り下げて、75歳から年金を受け取りはじめたとすると、年金月額はおよそ12万5000円となり、10万円を超える年金を受け取ることができます。
まとめ
年収600万円の50代男性は、会社員であれば、将来月当たり10万円の年金を得ることは難しくなさそうです。しかし、それまでの年収によっては、現在は年収600万円あっても、将来月額10万円の年金を得られない場合もあります。 自営業者やフリーランスなどの場合は、令和6年度の国民年金額を見る限りでは、年収がいくらだろうと繰下げ受給をしない限り、10万円以上の年金をもらうことは不可能です。 このように、将来の年金額は個別の事情によって異なります。もし、将来自分がいくら年金をもらえるか気になったときは、年収だけで考えるのではなく、加入している年金など、個別の事情も加味して考えるようにしてください。 出典 日本年金機構 令和6年4月分からの年金額等について 厚生労働省 公的年金シミュレーター 執筆者:柘植輝 行政書士
ファイナンシャルフィールド編集部