初登板の近江・星野14失点 大阪桐蔭打線止められず センバツ
第94回選抜高校野球大会は最終日の31日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で決勝があり、近江(滋賀)は大阪桐蔭に1―18で敗れた。足の痛みを押して登板したエース右腕の山田陽翔(3年)に代わり、星野世那(3年)が今大会初登板したが、強力打線に屈した。 【近江・山田 力投も降板 決勝を写真で】 マウンドを守り続けたエースの声で、何とか気持ちを切り替えようとした。4点を追う三回途中から救援したが1―6と引き離され、厳しい投球が続く六回。1死から四球を出した場面で、伝令に駆けつけたのはエースの山田だった。「決勝戦だ。楽しんでいこう」 だが、直後に死球と失策で追加点を許すと、5番・海老根には内角高めの直球が甘く入り、左翼席に運ばれた。猛打に圧倒され続け、5回3分の1を投げて14失点。試合後は「しっかり自分が投げていれば。チームに申し訳ない」と反省ばかりが口を突いて出た。 昨秋は故障の山田に代わって投手陣を支えたが、近畿大会は敗れた準々決勝で先発して八回途中5失点と責任を果たせず、チームも補欠校に回った。京都国際の辞退で急きょ巡ってきた大舞台は、ケガから復調した山田が準決勝までの4試合を1人で投げ抜き、星野はベンチで見守った。 準決勝で左足に死球を受けるなど満身創痍(そうい)の山田に「頼むぞ」と託され、甲子園初マウンドに立ったが役割を果たせず、「山田頼み」のチーム像を浮き彫りにした。「山田と2人で先発を任され、チームを勝たせる投手になる」。連戦を勝ち抜くために不可欠な左腕が成長を誓った。【川村咲平】