スペースXの「スターシップ」、3度目の打ち上げで最長時間飛行
(ブルームバーグ): 資産家イーロン・マスク氏の米宇宙開発企業、スペースXが14日に無人で打ち上げた大型宇宙船「スターシップ」は、宇宙空間で軌道投入に成功した後、地球に戻る段階で追跡不能になった。
スターシップの試験飛行はこれで3度目。前回2回はいずれも打ち上げ直後に爆発しており、今回は著しい進展となった。スターシップで人類を月と火星に送るというマスク氏の目標に一歩近づいた。
同社はソーシャルメディア「X(旧ツイッター)」で配信したウェブキャストで、ニューヨーク時間午前10時30分頃にスターシップの信号が失われたことを明らかにした。テキサス州ボカチカのスターベース発射場から打ち上げられて約1時間後のことだった。
スターシップは現地時間午前8時25分頃の打ち上げ後、計画通りに宇宙船がブースター(推進装置)から切り離され、宇宙空間で軌道投入に成功した。飛行時間は過去2回の試験より長かった。大気圏に再突入する様子はライブ配信されたが、その後に宇宙船からのデータが途絶えた。
スペースXは信号が途絶えた宇宙船は分解した可能性が高いとし、「失われた」ことを認めた。
スターシップは1969年にアポロ11号を打ち上げたサターンV型ロケットより大きく、史上最大最強のロケットとされている。スペースXはスターシップで宇宙飛行士を月に送り込む契約を、すでに米航空宇宙局(NASA)と結んでいる。実運用となれば大量の貨物を運び、同社のインターネット通信スターリンクの大型衛星を打ち上げ、展開できるようになる。
原題:SpaceX Notches Longest Starship Flight Before Losing Rocket (1)(抜粋)
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Loren Grush, Aashna Shah