金沢ポート、3連勝の裏側 「弱気になって何をしてんねん」西東輝監督が初めて選手に檄を飛ばしたワケ
卓球Tリーグ男子・金沢ポートが、昨シーズンに続き三浦裕大(筑波大学)と契約した。 学生卓球を愛する者として、獲得の理由や三浦に期待することを西東輝監督(金沢ポート)にインタビューさせてもらった。 最初にアイスブレイク変わりに3連勝中のチームについて聞いてみると、西東監督が想像以上に熱い思いを語ってくれた。 せっかくなので今回は、「西東監督が初めて檄を飛ばした日」「三浦裕大に期待すること」の2テーマでお届けする。
西東監督が初めて檄を飛ばした日
――金沢ポート3連勝おめでとうございます!勢いに乗ってきましたね。 西東輝監督:ありがとうございます! ホームマッチの初戦、25日のT.T彩たま戦で敗れたときはどうなることかと思いましたが、立て直せてよかったです。 ――そこから3連勝と上手くチームとしても切り替えられたんですね。 西東輝監督:アウェイの時の試合は、相手ファンの応援や拍手の圧がすごくて、どうしても受け身になってしまいます。開幕から6試合アウェイでの試合が続いて1勝5敗でした。 7試合目でようやくホームマッチが来たと個人的にはすごく楽しみにしていました。 それなのにビビりながら戦って負けるという情けない試合を皆さんに見せてしまった。さすがにその試合後、選手に喝を入れました。 ――西東監督、そういうことを言うタイプなんですね。意外でした。 西東輝監督:いや、実は2シーズンやってきて初めて言いました。 ホームマッチで戦えばスイッチが入ってくれるだろうと思っていたら、スイッチが入らないどころか、弱気になって負けて何をしてんねんと。 平日の金曜日の夜に、小松市の体育館に667人もの観客が詰めかけてくれて、大歓声を送ってくれました。昨シーズン最下位で今シーズン序盤も躓いていたにも関わらず、金沢ポートに期待を寄せて高いお金を払って足を運んでくれているわけです。 西東輝監督:また、多くの企業さんに「今年は期待してるよ」とスポンサーを継続していただいたり、新たにスポンサーしていただいたりして、今季もチームが運営できています。 とは言っても、チームに潤沢な資金があるわけではないので、事業サイドが頭を振り絞ってコストを切り詰めて、選手がストレスなく試合に臨めるようにしてくれています。その裏には、スタッフたちの血の滲むような努力があるわけです。 選手に支払われる給料は、ファンの皆さんが高いお金を払って試合を観に来てくれたり、スポンサーの方々が支援してくれたり、スタッフが裏で努力してくれたりして成り立っているということをわかっているのか、ということなんです。 ――確かにファンやスポンサーあってのチームというのは、忘れてはいけませんね。 西東輝監督:なので、25日の彩たま戦の試合後に選手たちに話をしました。 「ファン、スポンサー、チームに感謝の気持ちを持っていたら、今日こんな試合にならないはず。お前たちはチームから給料をもらって試合しているのに、ビビって戦って負けるのか。プロとして卓球ができることは当たり前じゃないんだから、もう一回引き締めて頑張ろう」と本気で思いを伝えました。 ――普段優しい西東監督に言われるとチームも引き締まりますね。 西東輝監督:(吉田)雅己がこの前のヒーローインタビューで「ミーティングをしてチーム全体が切り替えられた」と言っていたと思うんですけど、このことですね。 (田中)佑汰もミーティング後に「西東さん、めっちゃ痺れました。もっと頑張る気になりました」と言ってくれました。 海外選手も迷いながらプレーしていたことを反省して、前を向いて戦うことを誓ってくれました。 西東輝監督:その結果、そこからのホームマッチで2連勝できて、11月4日の岡山リベッツ戦はアウェイでしたが、僕らが押せ押せどんどんでプレーするから逆に向こうがアウェイみたいな雰囲気になって、4-0で勝つことができました。 こういう戦いぶりを今後はしっかりとお見せしていきたいと思っています。