5回途中から登板した福岡大大濠の平川（撮影・星野楽）

　◆第106回全国高校野球選手権福岡大会5回戦　福岡大大濠5―3祐誠（17日・久留米市野球場） 　福岡大大濠が逆転勝ちで準々決勝進出を決めた。プロ注目の最速149キロ右腕柴田獅子（3年）が先発したが1回に適時二塁打で先制されると5回2死から3点目を失って降板。球速は148キロをマークしたが、変化球が決まらず直球を狙い打たれてしまった。5回参考ながらノーヒットノーランを達成した前回登板の3回戦と打って変わった投球に「ふがいない。チームのために仕事が全くできなかった。もう一度、初心に戻って練習したい」と厳しい表情を浮かべる。 ■いよいよ大詰め！福岡大会8強出そろう【トーナメント表】 　そんな危機を救ったのがリリーフした背番号10の平川絢翔（3年）だ。5回2死二塁の場面で登板し後続を中飛で打ち取ると、9回まで無安打に抑え逆転の流れを作った。「自分が点を取られたら勝利が遠くなると思ったので点を取られないようにと思って投げました。4回戦の投球はあまり調子が良くなかったけど、今日は比較的良かった」。自己最速の147キロを記録。「平川が相手の流れを止めて、流れを持ってきてくれた。今日の勝利は平川の投球のおかげ」と八木啓伸監督は平川の好投に感謝する。 　平川は今大会3試合で登板し20回1/3を投げ無失点を続けている。プロが注目する柴田とは一緒に練習してきたライバルで甲子園を目指す仲間でもある。「切磋琢磨（せっさたくま）してきたので、一緒に勝っていきたい」と平川が言えば、柴田も「平川は淡々と投げて変化球も直球も制球が良かった。自分もそういう投球ができるよう練習します」と刺激を受けた。ライバルで仲間の右腕2人が力を合わせて福岡大会を勝ち上がっていく。（前田泰子）