2024年の日本株は「自己の売買動向」に注目【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
4月以降、株価低調のなか自己は売り越しに転じており、今年の日本株は自己の動向に要注目
詳細の情報が公表されていないため、1-3月期における自己の累計買い越し額の中身は正確には分かりませんが、2月29日付けの、日経電子版では、「トータル・リターン・スワップ」の可能性を指摘しています。これは、金融派生商品(デリバティブ)の1つで、投資家は証券会社などに手数料を払って株式を保有してもらい(自己に現物買いが計上)、投資家はその損益のみを受け取る仕組みですが、この取引が増加したことも十分想定されます。 新年度入り後、5月10日まで、日経平均株価とTOPIXは、それぞれ5.3%、1.5%下落するなど、さえない動きが続いていますが、主な投資部門の売買状況をみると、現物は海外投資家と事業法人の買い越しが続き、個人も買い越しに転じる一方、自己が大きく売り越しに転じています(図表2)。以上より、今年の日本株は、自己の売買から受ける影響が大きくなっているように思われ、詳細が把握しにくい分、今後の動向は注目すべきと考えます。 (2024年5月13日) ※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2024年の日本株は「自己の売買動向」に注目【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】』を参照)。 市川 雅浩 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト
市川 雅浩,三井住友DSアセットマネジメント株式会社
【関連記事】
- 2024年の日本株は「自己の売買動向」に注目【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
- 好調な業績見通しは“株価を支える材料”に。米企業の「2024年業績」を予想【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
- 日銀の追加利上げが「日本株」に与える影響【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
- 為替介入の目的は「ドル安・円高トレンドへの転換」ではない ~為替介入の仕組みと効果について【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
- 30~50代の5人に1人が「新NISAを始めました!」でも…「新NISAはやめておけ」といわれる7つの理由