CM出演者が印象的だった1990年代のクルマ3選。松嶋菜々子の「お・ま・た」からアグネス・ラムの「お、パイザー」まで
今なら「?」でも、当時はインパクト“大”だった! 【写真を見る】当時の貴重なカット(27枚)
出演者はイメージづくりの上で重要
テレビコマーシャルと、出演者は重要な関係にある。 とくにトヨタはそれをよく分かっていた。たとえば、初代「RAV4」のイメージキャラクターは木村拓哉。街ではRAV4を見ると「あ、“キムタク”のクルマ」という人が多かった。しかも、トヨタは、車種の垂直ラインナップをずっと大事にしていて、おなじブランドのなかでのオーナーの取り合いを避けてきた。そのためにもタレントは重要だったのだ。 RAV4が出た1994年を例にとると、トヨタのテレビCMでは下記のような例がある。「スターレット(ジーンズ)」とCHARA、「カローラⅡ」と小沢健二(歌だけだけれどインパクト大)、「コルサ」と大地康雄、「カレン」と永瀨正敏、「ビスタ」と田村正和、などがすぐ思いつく。 実はこれ、マーケティング的にたいへん重要で、「あのクルマはあんな世界観だから我が家向き」などと消費者にすぐ刷り込みがおこなわれるのだと聞いた。エディ・マーフィとかデニス・ホッパー(ともにセリカ)などはなかなか難しいけれど……。
(1)トヨタ「ウィンダム」(初代)×国際線機長
外国人モデルを起用してインパクト大だったのは、初代のトヨタ・ウィンダムのテレビコマーシャル(1991年)だ。国際線機長、実業家、医師といった米国のホワイトカラー層が乗るクルマ、というアピール。 ウィンダムはこのコマーシャルで盛んに「日本名、ウィンダム」と、流れた。89年にレクサス・ブランドが誕生した時、「LS」(日本名セルシオ)とともに発売された「ES」の日本仕様だ。 ウィンダムは、90年発売の3代目「カムリ」の4ドアハードトップ版「カムリ・プロミネント」をベースにした前輪駆動モデルだ。ホイールベースを20mm伸ばし、全長を110mm、全幅を80mmそれぞれ拡大したボディを載せていた。 LSに準じて、お金のかかったプレスによる美しい面をもつボディと、米国のホワイトカラーが好んでいる、というコマーシャルのメッセージが効を奏して、ヒットを記録。作りのよいボディと、落ち着いた質の高い走りが印象的だった。