スズキが型式指定申請で不正行為 「アルト」の制動距離を書き換え
スズキは2024年6月3日、国土交通省からの型式指定申請における不正行為の有無に係る実態調査の結果、不正事案を1件発見したと発表した。 【写真】最新モデルは大丈夫! 「スズキ・アルト」をもっと詳しく見る(26枚) 不正が見つかったのは2014年12月から2017年12月まで販売された「アルト」(型式:スズキHBD-HA36V/型式指定番号:17956/通称名:アルト/型式指定年月日:2014年11月12日)。累計販売台数は2万5999台を数える。 2014年9月のアルト(貨物仕様・ABSなし)の型式申請の際に提出した「トラックおよびバスの制動装置の試験記録および成績」において、フェード試験の停止距離を実際の試験の数値よりも短く記載していたという。 社内認証試験においてブレーキの踏力が規定値を大きく下回る弱い力だったことで、停止距離が法規要件に対して余裕がなかったが、試験成績書の提出期限に対して再試験の時間がなく、試験に関与した者がブレーキを規定値近くまで踏み込んだ場合を想定した停止距離に書き換えても問題ないと考え、意図的に書き換えたものとスズキは原因について推測している。現在は社内認証試験に設計開発部門から独立した組織である法規認証部門が立ち合ったうえで、試験結果と成績書を確認するプロセスとなっており、不正を発生させない仕組みになっているという。 なお、2024年5月18日に法規認証部門立ち会いのもとで当該試験をやり直した結果、フェード試験の法規要件を十分に満たすことを確認。2014年以降のすべての開発機種の試験結果と成績書を確認し、同様の不正があったのはアルトの貨物仕様のみだったという。 (webCG)
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