【独自】クマに襲われ片目を失った猟師に密着 それでも共生を目指すワケ「憎んだところでどうしようもない」「選別すれば駆除する必要ない」
原田さんは、クマと人間の生活エリアに境界線を引き、すみ分けを目指す「原田式ゾーニング」を行っている。中間地点の緩衝地帯に、箱わなと微弱の電気柵を仕掛けることで、おなかをすかせたクマは箱わなに入る。万が一くぐり抜けても、電気柵で気絶し、その経験から緩衝地帯に入ることを次第に諦める。 町田氏は「昔はオオカミがはぐれたコグマを食べていたが、オオカミを滅ぼした人間が代わりをやるしかない。ハンターが『給料が安い』『高齢化で動けない』となるなか、プロに給料の他にメリットがある形にするなど、埋め合わせをどうするか」と指摘する。 いま原田さんには、弟子が2人いる。どちらも地元・北海道のクマ被害を知りUターンして、原田さんの生き方に感銘を受けた。菅野敦さん(36)は「わなの技術はゾーニングと相性がいい。それを広めるお手伝いができれば」、藤嶋裕介さん(28)は「片目がないと聞いたときは、マンガや小説の“伝説のハンター”みたいでかっこいいと思った」と、弟子入りの経緯を振り返る。 原田さんは、自分を襲ったクマの頭蓋骨を保管して供養を続けている。「殺されかけたが、憎んだところで、どうしようもない。命を奪って、俺の方が生きている。やはり供養はしてやらなければ」と思いを語った。 (『ABEMA的ニュースショー』より)