精神障害・発達障害の当事者と一緒に防災を考えるイベント 東京・大田区発
映像の解説によれば、こうした話はかなりの件数があったということです。 避難所にいられなくなってしまう理由のひとつに、避難所では障害の理解を求めること自体が難しくなってしまうことがあるといいます。 そのために日頃から障害の伝え方を考えておくべきだということです。 そうした問題も含めて、映像では5つのテーマが提示されます。 (1)発災直後のための準備 (2)避難生活の過ごし方 (3)障害をどう伝えるか (4)避難先を過ごしやすくするには (5)ふだんからの備え 映像でこれらのテーマが提示されたあとにみんなで意見を出してディスカッションします。 大きな紙を広げて、当事者もそうでない人も、考えられる困りごとやアイデアを付箋に書き出して貼りつけ、対応をみんなで話し合います。 当事者の困りごとを知って、障害のない人も避難所生活を想像し、自分も同じような問題で困りそうという人がいて、当事者へ寄り添うとともに、避難生活の困難を自分ごととして考えられるようになる効果がありました。 映像制作をしたポルケ代表・山田悠平さんは映像を作ったきっかけをこう話しています。 一般社団法人精神障害当事者会ポルケ 代表 山田悠平さん 「こと精神障害に関してはどうしても偏見の問題とかもありまして、他人ごとにされやすいっていうのもあると思うんですね。 そこでの困り感ということに関しても、特別な状況の人が困ってることだよねっていうふうに思われがちなこともあるんですけれども、私たちの経験を共有する中で、発想の逆転ではないですけれど当事者の経験から、防災全般のあり方をより考え直すようなきっかけだとか、全体化に向けたメッセージを探って、出していくようなグループワークも、今回のプロジェクトの大きな目的かと思います」 グループワークに参加して、困りごとの書き出しをしてみると、当事者でない人にも、音に弱い、臭いに弱い、人間関係が心配など、当事者と同じ不安が示され、当事者の経験から、より人に寄りそった防災、避難のありかたを考えるワークショップになったと思います。