こんなことでは企業不祥事の際、自民党の議員は「行政指導」などできない 衆院政倫審、28日の開催見送り
テレビ東京・解説委員の山川龍雄が2月28日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。開催が見送られた衆議院政治倫理審査会について解説した。
衆議院政治倫理審査会、28日の開催見送り
―– 岸田総理)それぞれの議員が置かれた立場を顧みて、丁寧に説明するよう党として促して参ります。いま審議されている予算は、震災対応、あるいは賃上げなど、国民生活にとって極めて重要な予算です。1日も早く衆議院を通過させ、年度内成立を確実なものにするため、与党としても全力で取り組んで参りたい。 ―– 自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受け、与野党は2月28・29日に衆議院政治倫理審査会(政倫審)を開く方向で調整していたが、公開の是非をめぐって折り合いがつかず、28日の審査会の開催は見送られた。 飯田)改めて明日(2月29日)以降の運びを協議するそうです。ゴタゴタしていますね。 山川)公開を嫌がる姿を見れば見るほど、後ろめたいことがあるのではないかと思ってしまうので、自民党としてはどんどん政治不信を招く方向に進んでいるように思います。 飯田)昨日(27日)の段階では公開のあり方をめぐり、記者だけは入れてもいいのではないかなど、いろいろな形が模索されたようですが。 山川)企業に例えれば、政治家にとって顧客は国民で、株主も国民なわけです。その国民から預かっている税金の使い方に対し、いま疑念が生じている。だから国民に対して公開し、説明しなければ申し立てにならないですよね。
こんなことでは企業が不祥事を起こした際、自民党の議員は行政指導などできない
飯田)政倫審には出るも出ないも任意であり、そこで喋ったことに関しても偽証罪等は問われないので、強制力の小ささが指摘されています。 山川)ある意味で予算を人質に取り、「この予算が通らないと大変ではないか」と時間稼ぎをしているようにも見えるので、自民党としても「そこが国民にどう映っているのか」を考えた方がいいと思います。それから、一連の裏金問題に関して、子どもにも見せられないような悪い例が次々に出ていますよね。何か問題を起こしたとき部下の責任にするとか、あるいは何か調査する上で第三者委員会を立ち上げるけれど、身内の人間で固めてお手盛りの調査をやるとか。 飯田)そうですね。 山川)今回も、透明性を考えたら国民に公開しなければいけないのに公開を拒む。こういうことを続けていると、自民党の議員自身がこれから主要な行政指導を行うような場合、人を派遣できなくなるのではないかと思います。例えば最近、自動車関連の不正問題があった。そうすると国交省が指導するわけです。いまは公明党のポストになっていますが、企業が不祥事を起こしたときには、閣僚が行政指導を行うわけです。そのときに、こんなお手盛りの第三者委員会を用意したり、情報も公開しないようでは、企業からすると「あなたがそれを言うのか?」となりますよね。 飯田)指導を受ける側としては。 山川)自分たちが悪い事例を示してしまうと、あとで自分の首を絞めるような形になるのではないかと思います。