ホンダが協調人工知能「Honda CI」のさらなる進化を目指してインド工科大学とAI技術の共同研究を開始
ホンダのインド子会社ホンダ・カーズ・インディア・リミテッド(以下HCIL)はこのほど、人と分かり合えるホンダ独自の協調人工知能「Honda CI(Cooperative Intelligence)」のさらなる進化を目指し、多くの優れたIT技術者を輩出するインド工科大学(Indian Institutes of Technology/以下IIT)デリー校およびボンベイ校と、AI技術の共同研究を開始した。交通事故低減技術や自動運転技術への将来的な応用も視野に、共同研究を通じてCIの要素技術の進化に取り組んでいく。なお、共同研究にはHCILに加えて、ホンダの研究開発子会社である本田技術研究所のエンジニアが参加する。要素技術である環境認識や協調行動生成などを研究テーマに設定し、最先端のAI技術を用いて研究開発。デリー近郊およびムンバイにて運転支援や自動運転の技術検証も実施 Honda CIとは、振る舞いや言葉を通じてコミュニケーションを図り、ユーザー・周囲の人と協調しながらユーザーを支える人工知能で、人とシステムが互いに理解し合い協調することで、複雑な交通環境などさまざまなシーンでの共存を目指すもの。ホンダは、いつでも、どこでも、どこへでも、人とモノの移動を「事故ゼロ」「ストレスフリー」で可能とし、「自由な移動の喜び」を一人ひとりが実感できる社会の実現を目指して、Honda CIの研究開発に取り組んでおり、茨城県常総市ではHonda CIマイクロモビリティを使用した技術実証実験を行っている。 今回の共同研究では、Honda CIのさらなる進化を目指して、要素技術である環境認識や協調行動生成などを研究テーマに設定し、最先端のAI技術を用いて研究開発を行う。また、テーマごとに研究室の枠を超えて学生をマッチングし、計画・設計・開発・テストのフローを高速で回すことで、柔軟で自由度の高い方法で研究開発を進める。 また、共同研究の一環として、デリー近郊およびムンバイにて運転支援や自動運転の技術検証を実施。インドは多様な道路状況と多くの交通参加者が存在するため、AIが予測困難な状況が頻繁に発生する複雑な交通環境がある。このような技術的難易度の高い環境で技術検証を行うことで、Honda CIの要素技術を磨き、インドを含むさまざまな地域での運転支援や自動運転技術への将来的な応用を目指していく。 ホンダでは、2019年からIIT卒業生を積極的に採用しており、Honda CIの研究開発を含むモビリティの知能化領域を中心に活躍している。最先端のAI技術や自動運転技術を専攻するIITの学生との共同研究により、Honda CIの研究開発を加速させるとともに、実践的な研究機会を提供することで、将来のAI研究を担う人材育成にも貢献していく。 ●インド工科大学(IIT) IITは最先端の工学と科学技術の研究で世界を牽引するインドの国立大学群。23校で構成され、各校が独立した組織を持ちながらも相互に連携し、先端技術と研究の発展に貢献している。デリー校はインドの首都デリーに位置し、協業ロボットやカーボンニュートラルなど、さまざまな分野で革新的な研究を行っている。一方、インドの金融都市ムンバイにあるボンベイ校は、機械知能・データサイエンス研究センターを有し、AIや機械学習において最先端の研究を行っている。 【デリー校】 ・設立:1961年 ・所在地:デリー ・学長:ランガン・バナジー教授 【ボンベイ校】 ・設立:1958年 ・所在地:マハーラーシュトラ州ムンバイ ・学長:シリーシュ・ケダレ教授
MotorFan編集部