「裏金上位ランカー」の山谷えり子議員を刑事告発 「不可解だらけ。真相を語るべき」と専門家 「正直」の看板掲げながらの不誠実 これが資料写真
◆仕入れ日より11 日も前に自著書籍を大量販売の不可解
「収支報告書上では、2021年5月7日に支払いをした書籍を、その10日前の4月28日に転売したことになります。保有しない書籍を販売したことになり矛盾します。支払いが遅れただけだったとしても、そもそも何のために書籍を購入したのか不可解です。政治団体なのに、転売して30万8000円の利益を得ているのも不自然」 上脇教授はこのように疑問を呈した上で、二階議員側が安倍派の山谷議員から大量の書籍を買ったのは不可解だと指摘した。 「二階元幹事長の政治団体が書店からではなく山谷議員の政治団体から購入するのも不自然です。山谷議員は二階派ではないので、二階元幹事長はキックバックのカネからではなく党本部から受け取った政策活動費名目の寄附金から支出し、書籍は受け取らず山谷議員側がそれを配布したのではないかとの疑念さえ生じます。そうであれば二階元幹事長は山谷議員の政治団体に寄附したことになりますが、その記載は収支報告書にありません。いずれにせよ、山谷議員も二階議員も客観的資料を示して真相を語るべきです」 上脇教授は告発状の最後に、山谷議員が安倍派からのキックバックを「事務所で処理していた」と弁明しながら、支出(=処理)せず全額繰り越していることの矛盾を指摘している。そして、真実は山谷議員個人に対する寄附だったのではないかとの疑いを禁じ得ないとして、真相の解明を求めた。
◆「正直」掲げる山谷議員の不誠実を問う
山谷議員は安倍内閣の国家公安委員長、自民党の拉致問題対策特命委員会事務局長という要職を務め、安倍一強時代を支えてきたひとりだ。しかし、たびたび旧統一教会から選挙支援を受けるなど密接な関係があると指摘されてきた(本人は否定)。 山谷議員のホームページに次のように書かれている。「日本人が大切にしてきた品位、節度、調和、正直、親切、勤勉を重んじ、伝統文化、体験学習、職業教育を充実させます」 山谷議員は裏金事件で、自民党で役職停止1年という処分を受けている。裏金と不可解な書籍転売について、今こそ「正直」に包み隠さず語るべきである。 ■ 鈴木祐太(すずきゆうた) 1981年香川県で生まれ。岡山、大阪で育つ。大学在学中から貧困状態にある子どもたち、特に被差別部落や在日外国人の子どもたちへの支援に関わり、小学校講師、派遣社員などを経てジャーナリズム活動を始める。フロントラインプレス所属。
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