大企業と中小企業で「生涯賃金」にどれくらいの差がある?
大企業と中小企業での生涯賃金の違い
性別や学歴によっても生涯賃金には格差が生じていますが、大企業と中小企業ではどれくらいの格差があるのでしょうか。性別や学歴も含めて図表1で比較したので参考にしてください。 【図表1】
独立法人労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計2022 ―労働統計加工指標集―」生涯賃金など生涯に関する指標 をもとに筆者作成 ※生涯賃金は「60歳で退職するまで同じ企業で働くフルタイムの正社員」が対象、 カッコ内は大企業との差額 もっとも大きな差額となったのは、大卒男性の大企業と小規模企業との差額8090万円です。これに性別と学歴も考慮すると、最大で1億4800万円(大企業・大卒・男性と、小規模企業・高卒・女性)も差があります。 また、中規模企業の大卒・男性と大企業の高卒・男性を比較すると、1320万円の違いしかありません。高卒は大卒と比べて4年多く賃金を得ていることを考慮するとほとんど差がないと言えるでしょう。 今回は比較していませんが、職種や職業によっても生涯賃金に差があるので、中小企業でも大企業以上の生涯賃金を得る可能性はあります。
大企業は平均の生涯賃金が高いが、中小企業でも学歴や職種によっては遜色ない生涯賃金
一般的に、大企業は中小企業よりも生涯賃金は高い傾向にあります。それはベースとなる賃金が高いからですが、生涯賃金が高くなる要素は企業規模以外にもあります。 性別や学歴、職種によっても賃金は大きな違いがあるので、中小企業に勤務していても大企業と遜色がない生涯賃金をもらえる可能性はあります。中小企業に就職するときは、安定性だけでなく将来性も考慮して選択しましょう。 出典 国税庁 民間給与実態統計調査 厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況 学歴別 独立行政法人労働政策研究・研修機構 ユースフル労働統計2022 ―労働統計加工指標集―生涯賃金など生涯に関する指標 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部