トランスジェンダー女性が米女子ツアー予選会に挑戦中 275名の女子選手が反対署名で論争へ
ヘイリー・デビッドソン(米国)が米国女子ツアーの来季出場権をかけた予選会「Qシリーズ」に出場し、議論を呼んでいる。 3年前には渋野日向子も参加 予選会突破直後の様子は…? デビットソンは生まれた時は男性ながら、性別適合手術を受け、現在は女性として生きている。幼少の頃から自分が男性であることに疑問を感じていたのだという。 大学では当初、男子ゴルファーとしてプレーしていたが、15年からホルモン治療を開始。21年にツアー等が求めている出術を受けた。フロリダのミニツアー(NXXT)では女子ゴルファーとして過去に3勝を挙げているが、今年3月にトランスジェンダーの出場が禁止された。 現在、全米ゴルフ協会、米国女子ツアー、国際ゴルフ連盟は、性別適合手術性を行った場合に限り「出生時に女性であること」という条件を撤廃している。つまり、トランスジェンダーの参戦を正式に認めていることになる。 デビッドソンは今年、1次予選を初めて突破して2次予選に出場。このまま4日間を戦い抜けば、順位に関係なく来季の下部エプソン・ツアーの出場権を獲得し、35位タイに入れば12月の最終予選会に進み、来季は米国女子ツアーあるいは下部ツアーで戦うことが現実となる。 275人が署名した手紙は、米国女子ツアーが認めているトランスジェンダーの参戦ルールの撤廃を求めるもの。男子ゴルファーの優位性は女子ゴルファーに比べて約30%の飛距離を有するなど、多くのデータを提示しルール改正を求めた。1次予選が行われる直前の8月に送付された。 これに対し、コミッショナーのモリー・マーコックス・サマーン会長は「2025年シーズン開幕までに現行の規約を慎重に見直す。公正な戦いの場を提供するのが第一」と返答したという。 初日は「78」でプレーし、6オーバー・171位タイと出遅れている。(文・武川玲子=米国在住)